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減価償却の方法


参考 新・法人税通達が公表 耐用年数 設備の判定明確化
減価償却資産の耐用年数の適用に関する取扱通達会計の詳細 1 (pdf) 2009.0.13
減価償却資産の耐用年数の適用に関する取扱通達会計の詳細 2 (pdf) 2009.0.13
耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表 (pdf) 2009.0.13

改正された減価償却の方法
参考URL
法人の減価償却制度の改正のあらまし(PDF)


* 法人と個人の減価償却の方法
減価償却費の計算は取得価額、残存価額(注 1)、過去に償却した償却累計額、減価償却資産に応じた償却率などが要素となり、法人と個人とでは取扱いも異なります。

法人と個人との違いの特徴は、個人である所得税法では、強制償却といって、必ず償却限度額を減価償却費として、必要経費に算入しなければいけません。

法人は任意償却(注 2)と言って計算した償却限度額以内の減価償却費の計上なら、0 つまり減価償却費を計上しなくてもかまいません。
ただし、今期計上しなかった不足分を翌期に計上することはできません。
減価償却費の計上を翌期以降に繰り延べることができます。

また、償却方法を選定しなかった場合には、建物については、法人も個人も定額法により、その他の有形減価償却資産の場合は、法人は定率法により計算しなければなりません。
個人の場合は定額法により計算しなければなりません。この選定しなかった場合の償却方法を法定償却と言っています。


償却方法を選定します。一般的には、法人は法定償却である定率法、個人は定額法によっています。

償却方法 計算式
旧定額法 (取得価額ー残存価額(取得価額×10%)×旧定額法の耐用年数に応じた償却率=償却限度額
定額法 取得価額×定額法の耐用年数に応じた償却率=償却限度額
旧定率法 (取得価額ー償却累計額)×旧定率法の耐用年数に応じた償却率=償却限度額
定率法 (取得価額ー償却累計額)×定率法の耐用年数に応じた償却率=償却限度額
生産高比例法 (取得価額ー残存価額)÷(耐用年数と採掘予定年数のうち短い方の採掘予定数量)×採掘量=償却限度額
リース期間定額法 (リース資産の取得価額ー見積残存価額)×その事業年度のリース期間の月数÷リース期間の月数=償却限度額


注 1 残存価額とは取得価額の10%をいいます。実際には、5%になるまで償却します。
注 2 法人の場合は任意償却といって償却限度額以下の金額を損金算入とします。 例えば、償却限度額が1,000,000の場合には 0〜1,000,000の金額を減価償却費として計上できます。
注 3 旧定額法・旧定率法は、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産の場合です。
     定額法(新)・定率法(新)は、平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産の場合です。
注 4 平成19年度の改正により簿価(帳簿価額が1円になるまで減価償却ができるようになりました。
     くわしい計算方法は、定率法による減価償却費の計算方法と会計処理 定額法による減価償却費の計算方法と会計処理 をごらんください。



 資産の区分に応じた償却方法 法人の場合


資産 償却方法の届出をした場合 届出をしなかった場合 個人の法定償却方法
建物
(鉱業用のものを除く)
平成10.3.31以前に取得した場合 定額法・定率法のうち届けた方法 定率法 定額法
平成10.4.1以後に取得した場合 定額法(届出をする必要はありません)
有形減価償却資産 建物、鉱業用のもの、国外リース資産及び下記の生物を除く 定額法・定率法のうち届けた方法 定率法   定額法
無形減価償却資産 鉱業権、営業権を除く 定額法(届出をする必要はありません) 定額法
鉱業用減価償却資産 鉱業権、国外リース資産を除く 定額法・定率法・生産高比例法のうち届けた方法 生産高比例法 生産高比例法
鉱業権   定額法・生産高比例法のうち届けた方法 生産高比例法 生産高比例法
生物 器具備品に該当するものを除く 定額法(届出をする必要はありません) 定額法
営業権 平成10.3.31以前に取得した場合 任意償却(届出をする必要はありません)  均等償却
平成10.4.1以後に取得した場合 定額法(届出をする必要はありません) 定額法
国外リース資産 平成10.10.1以後に締結するリース契約のものに限る リース期間定額法 リース期間定額法   
注 特別な償却方法 税務署長の承認を受けて特別な償却方法を選定することができる。

注 償却方法は、構築物、機械装置、車両運搬具、工具、器具備品等といった資産の種類ごとに選定ができ、2以上の事業所を有する場合には、事業所ごとに選定できます。あまりそういう選択はしないですが。



 * 償却方法の届出期限・変更
@償却方法の選定の届け出

・新設法人(1期目)はその設立した日の事業年度の確定申告書の提出期限までに、選定した償却方法を納税地の所轄税務署長に届け出をします。
一般的には、特殊なことがない場合は法定償却の方法によりますので、設立届出書といっしょに提出します。
・個人の場合も新たに業務を開始した場合も同様に所得税の確定申告書の提出期限(取得した日の翌年3月15日)までに提出することになります。


A現に採用している償却方法以外の償却方法によることとなる減価償却資産を取得した場合

・法人が既に選定した減価償却資産と異なる減価償却資産を取得した場合には、その取得した日に属する確定申告書の提出期限までの届け出ます。
・個人の場合も同様に所得税の確定申告書の提出期限(取得した日の翌年3月15日)までに提出することになります。


B償却方法を変更する場合

・法人が現に採用している償却方法を変更するには3年間相当後など、変更しようする事業年度の開始の日の前日までに所轄税務署長の承認を受けることが必要です。
・個人が現に採用している償却方法を変更する場合は、その変更しようとする年の3月15日までに、その旨及び理由を記載した申請書を所轄税務署長に提出して、その承認を受けなければならない。その変更しようとする年の12月31日までに通知がない場合にはみなし承認といって承認されたことになります。実務上、承認通知は来ません。



 * 定率法と定額法の比較

定率法 @価値の低下に伴い、早期に減価償却費を計上できます。
A利益の高い場合は定率法によった場合が節税効果が高い。
B早期に減価償却費を計上されるため節税効果がある。
定額法 @毎期均等に減価償却費が計上されます
A毎期均等なので、償却費の予想が簡単である。
・法人はほとんど、法定償却方法を選定する場合がほとんどで、定率法によるものは定率法の場合が多い。
・個人は、法定償却で定額法のものが多いが、早期償却により節税できるので、定率法を選択することもよくあります。



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