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税務会計ニュース161210【時事解説】顧客を創造して需要をつくる昨今、料理の苦手な主婦、単身女性が増えているという。この背景にあるのは、就業女性の増加や核家族の増加に伴う家庭料理継承の喪失である。 また、デパ地下ブーム、スーパーの惣菜売り場が増えていることからも、「つくるもの」から「買うもの」へ意識が変化していることもわかる。食品メーカーにとって、こうした料理離れへの対応が深刻な経営課題となっている。 各食品メーカーが料理教室に力を入れている。料理の基本、楽しさや栄養に関する知識を覚えてもらい、若い主婦などの料理離れに歯止めをかける。 社会貢献的な事業と位置づけながらもユニークなアイディアで自社商品の販促とともに、顧客創りをしながら需要の喚起を図っている。 かつて自工と自販に別れていた時代のトヨタ自動車も自社の商品が進展しやすい環境をつくり出そうとした。 自動車学校の経営、自動車整備工場の開設、サービスセンターの設置など、第3者の目には経営の多角化とも受け取れる投資を行なった。 運転免許証保持者が少なければ自動車の潜在需要層は薄いということになる。自動車整備工場をつくることによって、ユーザーは購入後のメンテナンスの心配がなくなる。 生産に先行投資が必要であるように、販売にも先行投資が必要だと考えたのである。現在でいうマーケティング、すなわち「売れる仕組み」をつくり上げたのだ。 マーケティングとは現在ある商品を売り込むのではなく、お客様が買いたくなる商品と環境をつくっていくことである。 需要開発の出発点は潜在需要層の育成にある。 消費が頭打ちした現代で、企業が繁栄するためには、顧客を創造する他ない。 顧客を探すのではなく、顧客を創り出すことができるかどうかが企業の繁栄の鍵となるであろう。 |
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