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税務会計ニュース

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消費税簡易課税の「選択」「不適用」に注意。


 このほど国税庁が「消費税簡易課税制度選択届出書についてのお知らせ」という情報をホームページに公開しました。

これは、今年の4月から施行された改正消費税法において免税点が引き下げられたことから、課税事業者が多数増加し、それに関わる「経過措置」などについて一部周知されていないことが危惧されているためです

 特に注意すべきポイントは2点。
 一点は、「簡易課税制度選択届出書」の提出時期。通常、簡易課税制度の適用を受けるには、適用を受ける課税期間開始日の前日までに同届出書を税務署に提出する必要があります。

 しかし、今回の改正により新たに課税事業者となった場合は、その課税期間内に同届出書を提出すれば簡易課税制度が適用されるという経過措置が準備されています。

 もう一点は、以前に「簡易課税制度選択届出書」を提出したことのある免税業者が、今回の改正により再び課税事業者になった場合の注意。

「簡易課税制度選択届出書」の効力は、免税業者になったからといって消えるわけではなく、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しない限り存続するため、このケースでは強制的に簡易課税制度が適用されてしまうのです。
そして、これには経過措置はありません。

必ず不適用届出書を、適用を止めようとする課税期間開始日の前日までに提出する必要があります。特に個人事業者の場合は今月の31日が提出期限のため注意が必要です。

 追記
 確か消費税の導入からと思いますが、原則(一般)と簡易という選択の方法が、それまでの申告期限までの各種計算の有利選択という税制のあり方を変えてしまいました。

 簡易課税は、実務上からいうと、一般課税より判別が複雑となる場合も多いのです。第1種事業から第5種事業までの数種の事業に該当する場合には、判別不可能な場合も多いのです。

 なお、かつ、簡易課税の選択届出は、適用する課税事業年度の開始の日の前日までで、しかも到達日という、これまた到達日ということで、郵送の消印日ではだめということになっています。

 納税者有利の選択という原理が消費税においてはなくなってしまいました。実際の本則により、預かった消費税から支払った消費税を差し引き納付する分より、簡易課税の選択により本則より多く納付しなければならなくなる場合が起こるのは、常識からおかしいと思います。







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