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タックスニュース
2016.08.26


【時事解説】地方大学におけるグローバル人材の育成



 昨今では地方の中小企業においても海外との貿易や海外直接投資などのグローバルな動きがみられます。

例えば、島根県内の中小企業の動きをみると、県内唯一の国際貿易港である浜田港を活用したロシアとの貿易を促進するプロジェクトが2007年以降推進されており、

そうしたサポート体制の下で一部の中小企業がロシアとの貿易に取り組んでいます。

また、海外直接投資については、島根県内の中小企業のASEAN(アセアン)地域への海外直接投資の動きを受けて、島根県がタイのバンコクに県内企業のアセアンでの事業展開に関する相談・アドバイスなどに対応するための「島根・ビジネスサポート・オフィス」を2014年9月に開設し、県内企業の海外展開を支援しています。

 このため、地方大学において学ぶ大学生が地域産業や地域企業の抱える課題を理解するうえでは、"Think globally, act locally"や「グローカル」などといった言葉に象徴されるように地球規模の国際的な視野で考え、地域視点で行動することが求められています。

 以上のような流れを背景として、地方大学においてもグローバル人材の育成へのニーズが高まっています。

とくに企業の海外展開の進展を背景として、語学研修、留学支援などにとどまらず、学生がグローバルに展開している海外企業を訪問する海外企業研修や、海外企業で一定期間就業体験を積む海外インターンシップに対する支援などを地方大学が推進しています。

 このように、地方大学がグローバルに展開する企業と連携した取組みを推進することで、国際的な視野で考え、行動できるグローバル人材育成に向けた取組みを行っているのです。(

 では、グローバル人材を育成するために地方大学ではどのような取組みを行っているのでしょうか。

そこで、島根県立大学の教育カリキュラム「海外企業研修」の取組みについてみていきましょう。

 海外企業研修は、グローバル人材へのニーズの高まりを背景に、学生がアジアの国々に1週間程度滞在し、グローバルに展開する企業への訪問や現地大学生との交流を通じて、国際的視野の獲得と国際協調の精神を養うことを目的とし、2015年度はインドコースとタイコースの研修が実施されました。

 インドコースでは、インドにおけるIT産業の集積地であるベンガルールを訪問地としています。

企業の訪問先としては、欧米企業などの受注を主力とするインドの大手IT企業をはじめ、日系の中小IT事業者や、インドの印刷業者、自動車部品製造業者、電気自動車製造業者などを訪問しました。

教育機関への訪問については、経営学の分野ではインド国内で最高峰レベルを誇るインド経営大学院(IIMB)など3教育機関への訪問が実施されました。

 タイコースの企業の訪問先としては、島根県に本社を置く電子部品製造業者や金型製造業者などの海外生産拠点や、島根県の日本茶製造業者が展開するカフェを併設した販売店舗などを訪問しました。

また教育機関の訪問については、タマサート大学、カセサート大学などのタイを代表する国立大学や、日本語学校などへの訪問が実施されました。

 このように、地方大学がグローバル人材育成への取組みを推進することで、学生が国際的な視野を持ちつつ主体的に進路を選択することが期待されているのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)




記事提供:ゆりかご倶楽部







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