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タックスニュース
2016.01.28


国税庁:2014年度滞納案件の整理状況を公表



 国税庁では、処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となる訴訟提起や、滞納処分免脱罪による告発を活用して、積極的に滞納整理に取り組んでおります。

 原告訴訟に関しては、2014年度は171件(前年度146件)の訴訟を提起しました。

 訴訟の内訳は、「差押債権取立」15件(同12件)、「供託金取立等」7件(同7件)、「その他(債権届出など)」146件(同120件)のほか、特に悪質な事案で用いられる「名義変更・詐害行為」が3件(同7件)となりました。

 そして、係属事件を含め172件が終結し、国側勝訴が27件、敗訴が1件、取下げが9件、和解が1件でした。

 また、財産の隠ぺいなどにより滞納処分の執行を免れようとする悪質な滞納者に対しては、「滞納処分免脱罪」の告発を行うなど、特に厳正に対処しております。

 同免脱罪の罰則は、3年以下の懲役か250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科とされております。

 2014年度は、1年間の告発件数では過去最多の昨年度を2件上回る8事案を同罪で告発、12人を起訴し全員が有罪、うち5人に実刑判決が出ております。

 悪質な滞納事例として、滞納処分の執行を免れるため、請負代金を他人名義の預金口座に振り込ませるなどして財産を隠ぺいした滞納者を、滞納処分免脱税で告発した事例があがっております。

 電気機器製作業を営む滞納者Aは、所得税と消費税を約1,000万円滞納していたため、預金を差し押さえたところ、事業を廃業したとの届出があり、さらに裁判所に対して自己破産の申立てを行いました。

 このあと、税務署長は滞納処分の停止を行いましたが、その後のAの取引先に対する税務調査で、Aは屋号を変更して事業を継続していたことが判明しました。

 さらに、取引先に対して、滞納処分の執行を免れる目的で、請負代金を他人の口座に振り込むよう依頼して財産を隠ぺいしていた事実を把握しました。

 国税局の告発に基づき、Aは滞納処分免脱税で起訴され、懲役1年(執行猶予3年)及び罰金30万円の刑が言い渡されました。


(注意)
 上記の記載内容は、平成27年12月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供:ゆりかご倶楽部







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