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タックスニュース
2015.10.23


【時事解説】着地型観光とニューツーリズム



 観光産業の振興による地域経済活性化が求められる中、旅行会社が団体旅行客向けに有名な観光名所を起点にツアーを組む時代は終わりをつげ、

旅行者を受け入れる側の地域(着地)側が、その地域でお勧めの観光資源を元にした旅行商品や体験プログラムを企画・運営する旅行形態である着地型観光の推進が求められています。

 着地型観光の推進が求められる背景としては、第一に消費者(観光客)のニーズの多様化があげられます。

消費者のニーズが細分化、多様化する中、名所旧跡をまわるだけでは満足せず体験や交流をしてみたいという「本物志向」の観光客が増加傾向にあります。

第二にインターネット等情報技術の発達等により観光地から消費者に対して直接かつ双方向の情報発信が安価でできるようになった点があげられます。

第三にマイカーの普及や航空運賃の料金低下などといった交通手段の多様化があげられます。

 さらに、着地型観光の中でも体験型・交流型の要素を取り入れたものはニューツーリズムと呼ばれます。

ニューツーリズムの例としては、観光旅行者が自然観光資源について知識を有する者から案内または助言を受け、知識や理解を深める観光形態であるエコツーリズム、

農産漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動(農作業体験など)を行うグリーン・ツーリズム、

自然豊かな地域を訪れ、そこにある自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒され、健康を回復・増進・保持する観光形態であるヘルスツーリズムなどといった様々な形態があります。

 では、ニューツーリズムの推進は地方において具体的にどのように行われているのでしょうか。

そこで島根県において体験・交流型観光の推進を狙いとして取り組まれている「しまね田舎ツーリズム」の事例をみていきましょう。

 島根県では、2005年に「しまね田舎ツーリズム推進協議会」を設立して以降、農山漁村での生活や体験、民家での宿泊体験を通じて、島根県の自然、風土、歴史、文化などに触れ、地域の人たちと交流を楽しんでもらう活動である「しまね田舎ツーリズム」を展開しています。

 農作業体験などをした後で、採れたものを食事に出したり、農作業をした民家に泊めたりする場合には、食品衛生法や旅館業法の許可が必要とされることから容易にはできませんでした。

そこで、島根県では、「しまね田舎ツーリズム」として制度的に後押しし、一定の条件を遵守することを前提に、しまね田舎ツーリズム推進協議会に登録した者については、農山漁村の体験に関わる調理や宿泊の提供をできるようにしました。

 「しまね田舎ツーリズム」開始10周年を受けて、2015年10月から11月にかけてキャンペーンを開催しており、島根県内全域で、島根の田舎を体験できる131のプログラムを集約し、「自然体験」「伝統文化体験」「くらし体験」「食体験」の4つのジャンルに分けて1冊の冊子にとりまとめ、参加者を募る取組みを行っています。

 このような取組みを通じて、地方では体験・交流型観光を推進し観光振興を起点とした産業振興への期待が高まっているのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

記事提供:ゆりかご倶楽部




10月23日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成27年10月22日

●「法定調書の作成・提出は、e-Taxで!(チラシ)(平成27年10月)」を掲載しました(PDF/675KB)



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