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タックスニュース
2015.09.02


国外転出する場合の譲渡所得等の特例の注意点



 2015年度税制改正において、国外転出する場合の譲渡所得等の特例が創設され、すでに7月1日から適用されております。

 同特例は、富裕層の海外移住による税逃れ防止対策として、海外移住する場合に株式などの含み益に課税するもので、株式などの金融資産の合計が1億円以上の富裕層が対象で、出国時においてそれらの資産の含み益が実現したものとみなされ、金融資産の時価から取得費用を差し引いた金額が課税されます。

 ただし、国外転出後、5年以内に帰国した場合には特例を取り消したり、海外転勤などで日本へ戻る予定の場合は納税が猶予されます。

 なお、納税猶予を受ける場合には、国外転出時までに納税管理人の届出書を提出しなければなりませんので、ご注意ください。

 国外転出時までに納税管理人の届出をしない場合には、国外転出日から起算して3ヵ月前の前の価額で対象資産を算定して、他の所得とともに、国外転出する日までに申告しなければなりません。

 納税管理人の届出をした場合は、国外転出時の価額で、国外転出した年分の確定申告期限までに申告します。

 このように、納税管理人の有無によって、対象資産の価額の算定時期や確定申告書の期限が異なってきますので、該当されます方は、ご注意ください。

 また、対象となる資産の有価証券等には、国内の上場株式にとどまらず、投資信託や公社債、外国の有価証券等も含まれるなど範囲が広くなっております。

 納税猶予の適用を受け、譲渡等をした際に適用資産の譲渡価額等が国外転出時より下落している場合は、減額措置を受けることができますが、この手続きに必要な更正の請求は、譲渡等の日から4ヵ月以内との期限があります。

 さらに、納税猶予期間中は、適用資産の種類や名称、銘柄別の数量などを記載した継続適用届出書を毎年提出しなければならず、この提出を忘れてしまった場合は、納税猶予期限が、継続適用届出書の提出期限から4ヵ月を経過する日に確定しますので、あわせてご注意ください。


(注意)
 上記の記載内容は、平成27年8月4日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供:ゆりかご倶楽部




9月2日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成27年9月1日

●全酒類卸売業免許及びビール卸売業免許の免許可能件数について(平成27免許年度)



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