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タックスニュース 2015.02.20 【時事解説】伝統産業における海外販路開拓伝統工芸品の製造には多くの基盤技術の蓄積がみられ、それらの基盤技術は先端技術を生む土壌にもなっています。 とくに京都には西陣織、京友禅などといった国が指定する17品目の伝統工芸品があり、長年にわたって蓄積されてきた染織・繊維産業などに関する技術を有する中小企業が存在します。 京都商工会議所では、こうした技術を持つ京都の染織・工芸関係事業者の販路開拓支援を行っています。 1990年には、同商工会議所を事務局として、京都府、京都市、産業支援機関などとともに「ファッション京都推進協議会」が設立されました。 近年は京都の伝統的な商品そのものではなく、伝統産業がもつ技術や素材を広く世界に評価してもらえるような海外販路開拓支援に力を入れており、中小企業庁「JAPANブランド育成支援事業」を活用した商品開発、販路開拓支援を行っています。 とくに海外販路開拓においては、フランスのパリで開催される世界最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」への出展に力を入れています。 具体的には、展示会に出展する個々の事業者が、外部のコンサルタントのアドバイスを受けつつ、新商品開発から展示会での発表までを行う一連のプロセスに対し支援を行っています。 中小企業にとっては、1社単独で海外の展示会に出展したり、コンサルタントを雇ったりする場合、かなり資金負担は大きくなりますが、このような支援機関の事業に参画することで、比較的安価な参加費で展示会出展の経験を積むことができるのです。( では、伝統産業に携わる中小企業は支援機関のサポートを受けつつ具体的にどのような海外販路開拓の取組みを行っているのか、京和傘の老舗であるA社の取組みをみていきましょう。 A社の海外販路開拓のきっかけは、2006年に京都商工会議所の支援を受けて行ったパリで開催された世界最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」への出展でした。 出展にあたり京和傘の製造技術・意匠・構造を生かしながらそこに近代的なデザインを加え実用的なスタイルへと変化させたランプシェードを開発したのです。 A社の社長は、京都の伝統産業製品の海外販路開拓推進のために立ち上げられたプロジェクト「コンテンポラリー京都」の中心人物としても活動しています。 「コンテンポラリー京都」では、海外のショールームに展示することを主目的とした活動が行われています。 またA社の社長は、蓄積した海外展開の経験を生かして別会社を設立し、伝統産業品をはじめ、デザインにすぐれた商品をもつ企業の海外展開を支援する活動を行っています。 このように、伝統産業に属する中小企業が、支援機関のサポートを得ながら伝統工芸品の製造によって培った基盤技術を活用しつつ高付加価値の新製品を開発し、海外に販路を開拓する取組みが行われています。 展示会への出展を契機として、同じく出展する他の事業者ともお互いに相談し合ったり、情報を交換し合ったりすることもできます。 そしてそうした取組みの中からA社のようなトップランナーが登場し、他の事業者に海外販路開拓の経験などを伝授していくことによって、取組みの輪が拡がっていくのです。 (記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター) 記事提供 ゆりかご倶楽部 国税庁HP新着情報 |
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