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タックスニュース
2015.02.02


2015年2月の税務トピックス



 平成27年度税制改正大綱は、去年12月30日に自由民主党・公明党から公表されました。

 この大綱は、平成27年度税制改正の基本となるものですからその特質を把握することが大事だと思われます。

 T 当該税制改正大綱の特質

 当該税制改正大綱(以下単に「当該大綱」といいます。)の特質は、去年末の選挙の結果安倍政権が安定政権になったことから、今まで役人任せの「金と物」中心の税制改正から「人間」中心の税制改正が加わったという事実です。

 「金と物」中心の改正としては、例えば試験研究費の特例を5%減額するとした翌年に30%減額するとした政策をどう考えるのかという問題があります。

 すなわち、毎年の役人起草の税制改正は「覚えた途端にまた改正」「そうであれば1年延ばして試験研究費を支出すべきであった」という声が挙がっています。

 こうした税制改正であれば税制の基本としての「法的安定性」及び「予測可能性」から考え、さらに憲法第14条(法の下の平等)からも問題であると思われます。

そこで従来の毎年の税制改正を少なくとも政策を掲げた以上2年間は実行すべきだとする「税制改正2年説」を私は主張していました。

 他方「人間」中心の税制改正は、当該大綱の「二 資産課税 2.結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設」(以下「子育て対策措置」といいます。)です。

 この措置は、少子高齢社会の解消の一歩になると思われます。

 少子社会における少子は「子どもが少ない」という意味で用いられています。

そして、わが国では1992(平成4年)に「国民生活白書」で取り上げられ、さらに2004(平成16年)の「少子化社会白書」では「子どもの数が高齢者人口(65歳以上人口)よりも少なくなった社会」と定義づけ、すでに1997(平成9年)に少子化社会になったとしています。

 他方高齢社会は、1956(昭和31年)国際連合の「(高齢化した)aged人口」に由来し、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合をもとに、高齢化率7%以上の社会を「高齢化社会」その倍の14%以上を「高齢社会」さらに21%以上を「超高齢社会」と定義しました。

 わが国は、1970(昭和45年)に高齢化社会、1994(平成6年)に高齢社会、2007(平成19年)からは超高齢社会ということになります。

 天然資源の少ない日本における資源は、働く人の人的資源のみが将来の日本を支える唯一のものと考えられます。

 すなわち、少子高齢社会の続行は、日本の衰退を傍観していることになります。

 従来の「金と物」中心の税制改正では、少子高齢社会の是正は将来とも実現しません。

 これに対して、当該大綱の「子育て対策措置」は20歳以上50歳未満の受贈者の結婚(300万円を限度)・子育て資金に充てるためその直系尊属が贈与者となり、受贈者1人につき1,000万円まで一括贈与でき、この贈与に係る贈与税を非課税にする措置です。

ただし受贈者が50歳に達したときに当該資金に残額があれば、そのときに贈与があったものとして贈与税を課税する仕組みです。

 これによって、高齢者に退蔵した資金が支出されお足として活動し、景気浮揚に役立ち、かつ、結婚・子育ては促進し、少子高齢社会解消の第一歩になると考えます。

今後の税制改正は、こうした人間中心の税制改正に切り換えるべきではないかと思います。


 U 2月の税務

 2月16日から1月間の所得税の確定申告、2月2日から3月16日までの贈与税の申告を迎え多忙な時期になりますが平成26年の締め括りとして頑張って下さい。

 また、税理士記念日(2月23日)も忘れないでください。


記事提供:ゆりかご倶楽部



2月2日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成27年1月30日

●「酒類を輸出する酒類業者の皆様へ(参考)国税局における証明書の発行件数(平成26年12月末現在)」を更新しました

●平成25酒造年度における清酒の製造状況等について

●行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則に基づく国税関係手続に係る個人番号利用事務実施者が適当と認める書類等を定める件(国税庁告示)を掲載しました。

●国税関係手続における本人確認方法について、意見募集(パブリックコメント)の結果を公表しました。(e-Govへリンク)

●特定個人情報保護評価書を掲載しました

●「特定個人情報保護評価書(全項目評価書)(案)」に対する意見募集の結果を公表しました(e-Govへリンク)

●「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」の一部改正(案)について、意見募集(パブリックコメント)の結果を公表しました。(e-Govへリンク)

●任期付職員(国際税務専門官、国際調査審理官)の募集について【東京国税局】


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