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タックスニュース
2014.08.26b


《コラム》離婚後の子をめぐるトラブル



生計一親族の判定(養育費の負担)

 国税庁ホームページの質疑応答事例には、子がある夫妻が離婚した後の「扶養控除(所得税)」を、生活が別となった元夫・元妻のどちらに適用できるかという事例が紹介されています。

元妻が子を引き取り、元夫が養育費を負担しているケースでは、その養育費の支払いが

@扶養義務の履行として、
A「成人に達するまで」など
一定の年齢に限って行われるものであるときは、その養育費を負担した期間については、子は元夫の「生計を一にしているもの」として、元夫は扶養控除の対象とすることができます。

 ただし、養育費と慰謝料・財産分与の金額が明らかに区分できない場合には、この例には当てはまりません。

また、子が元夫の控除対象扶養親族に該当するとともに、元妻の控除対象扶養親族にも該当することになる場合には、扶養控除はいずれか一方のみに適用されることになります。


「扶養控除」の取り合いになった事例

 このようなケースでは、別れた元夫婦が子をどちらの控除対象扶養親族とするかという話し合いを持たずに、両者が各々の控除扶養親族として申告を行ってしまうこともあるようです。

争いになった事例として、平成19年の国税不服審判所の裁決例があります。

別れた元夫婦が各自の勤務先に扶養控除等申告書を提出し、長女を各々の控除扶養親族として平成18年分の年末調整を受けていたというものです。

このケースでは元妻が扶養控除等申告書を職場に平成17年12月に提出し、元夫が平成18年1月に提出していることから、長女は、先に扶養控除等申告書を提出した元妻の控除対象扶養親族と判断されました。


「決められない場合」の判定方法は2つ

 所得税法施行令には、2以上の居住者が同一人を自己の扶養親族として申告書等に記載した場合の規定があります。

@ 既に片方の居住者が申告書等の記載により扶養親族としている場合→その居住者の扶養親族

A @によっても、いずれの扶養親族とするか定められない場合→合計所得金額の大きい方の居住者の扶養親族

 上記の裁決では、@の段階で判定ができたため、元夫の所得の方が大きいという事実は考慮されませんでした。



記事提供 ゆりかご倶楽部






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