|
|
Section |
タックスニュース 2014.06.13 2014年6月の税務トピックスT 相続税と法定相続分の改正 第1に最高裁判所平成25年9月4日大法廷決定では、嫡出子と非嫡出子の相続分を区別するのは憲法違反であると判断しました。 そのため民法の該当部分は次の通り削除(削除分[ ]内)されました。 「(法定相続分) 第900条 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。 ただし、[嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の1とし](以下省略)」 そして、最高裁判決は当該決定の翌日である平成25年9月5日以降に税額が確定した相続については、嫡出子と非嫡出子の相続分が同等に扱われることとなりました。 第2に相続税の増税は、平成27年1月1日以後の相続等(相続又は遺贈)に適用されることとされています。 この第1、第2の関係は、税理士が相続税申告を依頼された場合に大きな影響を与えます。 すなわち 相続税法改正は増税を伴う改正として平成27年1月1日に開始する相続等から非嫡出子の改正は変るのだと思い込み従来通りの相続税額の計算を行えば誤った申告書を作成することになります。 第3に、国税庁はこの点に関して「相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)・平成25年9月5日以後の取扱い」とした通達を発していますのでその内容について説明します。 1.平成25年9月4日以前に相続税額が確定している場合 違憲判断が「確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない」旨の判示がなされていることに鑑み、平成25年9月4日以前に、申告又は処分(以下「申告等」といいます。)により相続税額が確定している場合には、改正後の相続分に従って相続税額の計算を行ったとしても是正の対象ともならず又更正の請求の事由にも当たらないとしています。 2.平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合 (1) 平成25年9月4日以前に確定していた相続税額が異動する場合 イ 更正の請求又は修正申告の場合 平成25年9月4日以前に、申告等により相続税額等が確定している場合であっても修正申告書の提出理由がある場合(例、財産の申告漏れ)又は更正の請求書の提出理由がある場合(例、評価誤り)は、改めて相続税額を確定する必要があります。 この場合には、改正後の相続分に従って相続税額を計算し、それに従って当該請求書又は申告書を提出することになります。 ロ 更正又は決定の場合 イの場合と同様に修正申告の必要な場合の更正又は申告の義務がある場合の決定については相続税額の計算は、イに準じて計算することとされています。 (2) 平成25年9月5日以後に新たに相続税額が確定する場合 イ 期限内申告又は期限後申告の場合 いずれの場合も改正後の相続分に従って計算した相続税額に基づいて申告を行うことになります。 ロ 決定の場合 改正後の相続分により相続税額を算定し決定を行うことになります。 以上のように相続税法の改正のみではなく、他の法律の改正により相続税額計算実務に影響を与えることがあるので注意して下さい。 U 6月の税務 7月に税務官庁の人事異動が行われます。従って6月は税務調査の多い月だと思われます。しっかり準備と対処に努めて下さい。 記事提供 ゆりかご倶楽部 |
平成26年の記事一覧へ |