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タックスニュース
2013.06.24


小型家電リサイクル法と企業の対応



 2013年4月1日、リサイクルに関する新たな法律が施行されました。

小型家電リサイクル法(正式名称は使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)といい、携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機といった小型電子機器のリサイクルを行うための法律です。

これまでも、テレビ、冷蔵庫といった大型家電やパソコンなどのデジタル機器を対象としたリサイクル法は定められていました。

今回、小型家電が対象となったことで、家電については、ほぼすべての製品がリサイクル法で網羅されます。

 この法律が生まれた背景には何があるのでしょうか。
それは、資源の有効利用です。
携帯電話などの小型家電機器には、金や銅、レアメタルなどの有用な金属が含まれています。

ところが、これら金属は回収されずにそのまま廃棄物として埋め立てられる、あるいは違法な業者によって国内外で不正処理されているのが現状です。
こうした課題の解決が法制定の狙いの一つにあります。

また、この小型家電リサイクル法の大きな特徴として、費用の負担が挙げられます。

大型家電などは消費者がリサイクルに必要な費用を負担しますが、今回の小型家電は原則消費者の費用負担はありません。

もう一つの特徴は「だれが回収を進めるか」にあります。
冷蔵庫などの大型の廃家電は、家電小売店が収集の義務を負っています。

今回の小型家電リサイクル法では、主体は自治体であり、回収の方法や対象となる品目などについては、自治体が独自に決定します。
そのため、実際にリサイクルするときは自治体へ詳細を確認しておくとよいでしょう。(

小型家電リサイクル法では、企業が負うべき義務は特に定められていませんが、全く何も対処しなくてよいということではありません。

とりわけ情報の漏えいには注意が必要です。
たとえ個人所有の携帯電話やデジタルカメラでも、企業の機密事項や個人情報が漏えいする場合があります。

その要因として、近年、若年層を中心に増加しているBYOD(Bring Your Own Device)が挙げられます。

BYODとは、従業員が私物のスマートフォンなどのデジタル機器を業務で利用することを指します。

個人の所有物でありながら、そのなかには取引先担当者の氏名や電話番号、業務で撮影した写真、場合によってはメールのやり取りまで、さまざまな情報が記憶されています。

ところが、小型家電リサイクル法では、これら情報が第三者の手に渡らないような回収方法になっているかというと、十分とはいえない部分があります。

回収方法には、「ステーション回収(ごみ排出場所にて回収する方法)」「ピックアップ回収(従来の一般廃棄物と同じように回収し、そのなかから市町村が使用済小型電子機器等を選別する方式)」などがあり、消費者は設置された回収ボックス(回収箱)に機器を入れることになります。

環境省では回収箱への施錠を促していますが、錠を壊される、回収箱そのものが持ち去られるなどの手口により盗難に遭うことも可能性として考えられます。

万が一、情報が漏えいし、ダメージを受けるようなことがないように、企業は従業員にBYODで使用した機器を回収に出すときは、メモリの内容を消去することを周知徹底する必要があります。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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