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タックスニュース 2012.10.01b 2012年10月の税務トピックスT 「社会保障と税の一体改革」の仕組み 新聞で日々取り上げられていた「社会保障と税の一体改革各法」(以下「改革法」といいます。)が、 平成24年8月10日に国会において成立し、社会保障関係は同年8月22日施行され、 税としての消費税増税は平成26年4月1日から施行されることになりました。 したがって、大体の骨組みが出来上りましたので改めて改革法の仕組みについて説明することにします。 1.社会保障関係の仕組み 社会保障は「経済的弱者を社会全体で支える」という視点から設けられていますので、 生存権を守る、「子育て、生活保護」と生存権を支える「医療、介護、年金」の5項目に分類されます。 この5項目のうち「年金、子育て」関係法が成立し、残る2項目(医療、介護)については、 内閣府に設けられる「社会保障制度改革国民会議」 (以下「国民会議」といいます。)で検討し、 1年以内(平成25年8月21日)に結論を出すこととされています。 (1)年金関係法の成立 年金関係法は、国民年金法の改革及び厚生年金法の改革が行われています。 @ 国民年金法の改革 ア.老齢基礎年金の受給資格期間を、現行の期間25年から10年に短縮する。 先進諸外国と比較して異常に長い加入期間を短縮すること及び現存無年金である高齢者に対しても施行日以降、納付済期間等に応じた年金支給を行うための改革です。 イ.遺族基礎年金の支給対象を拡大する。 遺族基礎年金については、母子家庭に支給される一方で父子家庭には支給されないという 男女差を解消するため又は支給要件の判定基準の適正化のために改革されたものです。 A 厚生年金法の改革 ア.短期労働者への適用拡大 短期労働者(1週間の労働時間が20時間以上、1年以上使用される見込み、月額報酬8万8千円以上、及び学生でないこと)に対しての厚生年金保険及び健康保険の適用を拡大します。 イ.産前・産後休業中の社会保険料免除 申し出により産前・産後休業中の事業主及び被保険者の厚生年金保険料を免除します。 ウ.受給資格期間の短縮 国民年金法と同様とします。 エ.官民年金法の一元化の設定 問題が大きいため国民会議で検討します。 (2)子育て支援法の改革 子ども・子育て支援のための給付の創設並びにこれに必要な財源に関する所要の措置を講じます。 2.税関係の仕組み (1)消費税増税 消費税率を次のとおり引き上げ社会保障費に充てます。 ・ 平成26年 4月1日・3%引き上げ ・ 平成27年10月1日・2%引き上げ (2)所得税最高税率の引き上げ、相続税増税、贈与税減税案 標題の3税目の改革案は、世代間及び世代内の格差是正と景気浮揚を目的として 国会に提出されたものですが、「富裕層が国外に転出するおそれがある」との提言もあり、 平成25年度税制改正案において必要な措置を講ずることとされました。 U 10月の税務 平成25年1月1日から、税務調査手続と処分に係る理由附記が法定化されます。 したがって、駆け込み税務調査が10月以降多くなると思われますので顧問先の指導に努めて下さい。 記事提供 ゆりかご倶楽部 |
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