タックスニュース
2011.11.07


会計検査院 消費税の事業者免税点制度を疑問視


 消費税は課税期間にかかる基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1千万円以下の場合、納税義務が原則免除されます。これが「事業者免税点制度」です。

平成6年の税制改正で、事業年度開始の日の資本金額・出資金額が1千万円以上の新設法人は制度が適用されるようになりました。


 会計検査院では、「消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の免除について」として問題点を挙げています。

まず高い売上を確保している免税事業者がいるという点。

平成18年中に設立された資本金1千万円未満の新設法人のうち、第1事業年度の売上高が1千万円を超えたことで、第3期課税期間から消費税を納付している法人を抽出。

1社平均売上高は第1期6400万円、第2期1億400万円だったとしています。

資本金で納税義務が判断されるため、相当の売上高があるにも関わらず、1〜2年目に免税事業者になっている企業が多いという実態を浮き彫りにしたわけです。


 また、課税事業者だった個人事業者が法人成りした場合、法人としての基準期間がないことから、2年間は原則免税事業者となる制度設計も問題視しています。

18年中に資本金1千万円未満で法人成りした企業は、個人事業者時(平成17年)の1人平均の売上高は6300万円、法人化後(19年)の1社平均は7900万円だったといいます。

これらの企業は事実上同一の事業内容を続けていることで法人成り後も相当の売上高があるのに、納税義務を免れていることを指摘しています。

会計検査院では、今後も消費税全般について注視していくとしています。


<情報提供:エヌピー通信社>



記事提供 ゆりかご倶楽部







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