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タックスニュース
23.08.31


2010年度物納申請件数は3年ぶりの減少


 国税庁は、2010年度の相続税の物納申請状況等を公表しました。

 それによりますと、2011年3月までの1年間の物納申請件数は448件で、前年度比38.4%減、金額ベースでは302億円で同53.8%減となり、件数、金額とも3年ぶりに減少となりました。


 国税は、金銭による一時納付が原則ですが、相続税については、財産課税という性格上、延納によっても、金銭納付が難しい理由がある場合は、一定の相続財産による物納が認められております。

 物納申請件数は、バブル崩壊後の1990年度以降、地価の下落や土地取引の停滞などを反映して著しく増加しました。

 それまで、年間400〜500件程度の物納申請に過ぎなかったものが、バブル期の地価急騰及びその後の地価急落で、路線価が地価を上回る逆転現象が起こり、土地取引の減少から土地を売ろうにも売れず、1990年度に1,238件、1991年度に3,871件、1992年度には12,000件台まで急増しました。


 しかし、その後は、事前に相続税額を試算して納税準備をするなど、相続開始前から納税対策を行う納税者が増えたことなどから、1999年度以降は年々減少しております。

 2010年度は3年ぶりの減少となっており、ここ4年間は1989年度(515件)以来の1,000件割れが続いております。

 2010年度の申請件数は、ピーク時1992年度(1万2,778件)の3.5%、金額でも同じくピーク時1992年度(1兆5,645億円)の1.9%まで減少しております。


 一方、処理状況をみると、前年度からの処理未済を含め652件、金額で約469億円を処理しました。

 処理件数は、前年度比28.7%減、金額も同48.6%減となりました。

 年度末での処理未済件数は、前年度より41.6%減の286件、金額では同42.6減の225億円となりました。

 処理の内訳は、全体の8割近い503件が許可されて財務局へ引き渡され、物納財産として不適格として46件が却下、残り103件は納税者自らが物納申請を取り下げております。


(注意)
 上記の記載内容は、平成23年8月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供 ゆりかご倶楽部








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