タックスニュース
220917


代理店の健診費用 販売奨励金扱いに


 従業員の健康管理の一環として、全従業員を対象に定期的に健康診断を行っている会社は少なくありません。

 このように従業員を対象とした健康診断にかかった費用は、税務上、福利厚生費として損金扱いとなります。

 ところで、中には販売促進の目的で、代理店の全従業員に対しても希望する者には無料で健康診断を受けさせているケースがあります。

 この場合に負担した健康診断費用については、代理店の従業員のために負担した費用ということで交際費や寄付金に該当するのではと考えがちですが、早合点は禁物です。

 自社の従業員でない者を対象とした健康診断費用であるとしても、「代理店の全従業員」を対象に「販売促進を目的」として負担したものであることが明らかであれば、実態としては健康診断費用であっても税務上では「販売奨励金」に該当することになり、交際費や寄付金以外の単純損金として差し支えありません。

 ただし、健康診断費用を負担する対象が、代理店の役員や部課長その他特定の使用人のみである場合は取り扱いが変わってくるので注意が必要です。

 健康診断を受けさせる対象が代理店の特定の者である場合は、会社が負担した健康診断費用は交際費等に該当する可能性があります。

 なお、この扱いは代理店の全従業員を対象として生命保険に加入した場合も同様です。

 たとえば、代理店の従業員を被保険者とする掛捨ての生命保険の保険料を負担した場合、その保険料相当額は、販売奨励金等として代理店に金銭を交付する場合の費用に該当します。


<情報提供:エヌピー通信社>


記事提供 ゆりかご倶楽部








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