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タックスニュース 221102 平成22年11月の税務トピックス T 平成22年10月までに発布された法令等 ○ 年金課税の二重課税判決(最高裁)に係るその後の動向 年金課税の二重課税に係る最高裁判決は、平成22年7月6日に言渡しがあり、確定しました。 その後野田財務大臣は「極力善処する」と宣言しました。 しかし、国税の還付期間の時効が5年であることから、その処理が明らかにされませんでしたが、最近その方向性がやや明らかになりましたので、明らかになった部分に限定して述べてみることにします。 1.二重課税に関する法令 所得税法9条1項15号(現在同項16号) 「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの、(相続税法の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与に取得したものとみなされるものを含む。)」は、所得税を課さないと規定されています。 他方相続税法は、相続税の課税価格を相続又は遺贈により取得した財産の合計額(相法11の2@)とし、 その評価額として年金(有期定期金)の残存期間5年を超え10年以下のものは100分の60により評価(相法24@一)して課税することとされています。 したがって、年金総額の60%は、相続税で課税済であるにもかかわらず毎年の年金総額を当該受取人の雑所得の収入金額(年金総額一按分保険料)として課税し、かつ、当核年金総額に10%の源泉徴収税額を課し、年金総額を基として所得税の課税対象を意途したところに二重課税の問題が発生したといえます(所法207、所基通9-18、相基通3-6)。 2.還付金の計算について(平22・10・20国税庁公表) 国税の還付は、法律上は5年とされています(国通法74、会計法30)、しかし、財務大臣の強い要望により民法上の不当利得の返還請求権が10年であることに準じて10年分を還付することとされました(民法703、167)。 そこで、還付額については、年金の1年目の額は、期間の経過により増加する利益(いわゆる元本の運用利益)がないことから二重課税として全額還付の対象となります。 しかし、年金の2年目以降10年目(9年間)までの年金には、運用利益として所得税の雑所得の対象となる部分並びに相続税の対象となり、かつ、所得税の対象となった二重課税の部分とが混在することになります。 そこで二重課税の1年から9年までの正数としての実数を合計すると45(マス)になり、当核(マス)数を基にして、本来課税対象となる所得税の所得金額を計算すれば次の計算例になります。 3.還付金の請求 所得税の二重課税についての年金はまず、過去に課税された所得税の所得金額から2の本来の課税対象となる所得金額を控除した課税標準又は、税額等につき更正の請求を行うことにより5年間の二重課税に係る所得税(源泉徴収税額を含みます。)の還付を受けることができます(国通法23A一、同法令6@`四)。 次に10年のうちその後の5年間の還付金については、平成23年の通常国会において特別立法により救済されることになっていますので還付の実務は、平成23年になる予定です。 記事提供 ゆりかご倶楽部 エッサムファミリー会 会報(平成22年11月号)より 法学博士・税理士右山昌一郎 |
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