タックスニュース
220611


住宅資金贈与 複数制度で戸惑い


 平成22年度税制改正で大幅に拡充した「住宅取得資金の贈与税の非課税制度」。

このほど国税庁が同制度活用に当たっての詳細な取扱いを明らかにしました。

 今年は、同21年、同22年中の住宅取得資金贈与について2年間で合計500万円を非課税枠とする旧制度、

同22年中の贈与については非課税枠1500万円、同23年中の贈与については非課税枠を1千万円とする新制度のいずれかを適用することができることになりました。

 住宅取得資金をもらう予定のある納税者にとって、今回の非課税枠拡大は嬉しい改正といえますが、制度自体も少し複雑になりました。

中でも、
@同21年中に住宅取得資金の贈与を受けて旧制度を適用し、同22年にも資金贈与を受けた場合の非課税枠はどうなるのか
A同22年中に住宅取得資金の贈与を受けた人が、同23年中に追加の資金贈与を受けた場合の非課税枠はどうなるのか――などといった疑問の声が聞かれます。

 今回公表された「あらまし」では、このようなケースにおける非課税枠を明確化しています。

@については、同22年の非課税枠を「1500万円−同21年中に贈与を受けた住宅取得資金の額」とすることが可能とされています。

 Aについては、同22年中の贈与については1500万円、同23年の贈与については「1500万円−同22年中に贈与を受けた住宅取得資金の額」となります。

つまり、@Aのいずれの場合も、非課税枠は2年間で1500万円となるわけです。

 今年度改正により非課税枠が拡大される一方で、同制度の適用に「所得制限」が設けられました。

これにより、贈与を受けた年の総所得金額が2千万円を超えている場合、非課税制度を適用できなくなっています。

ただし、これはあくまで新制度の適用について付された要件であって、旧制度については、合計所得が2千万円を超えていても適用可能です。


<情報提供:エヌピー通信社>


記事提供 ゆりかご倶楽部








平成22年6月の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています