タックスニュース
220706


会社解散の改正税法


◇清算所得課税の廃止

 今年(平成22年)の税制改正で、清算所得課税は廃止されることになりました。

この改正は即施行ではなく、平成22年10月1日以後に解散した場合に適用されます。
それ以前の解散については従前の清算所得課税の規定が適用されます。


◇財産処分や債務免除による益への課税

 なお、清算中の事業年度における、課税所得計算においては、清算所得課税ではなく、通常の各事業年度の所得計算を行うことになりましたが、残余財産がない会社が解散した時に、従前の制度下ではありえないような、清算処理の中途段階での思わぬ課税を受けないよう、配慮もされました。


◇期限切れ欠損金の損金算入

 すなわち、解散により株主に分配する残余財産がないと見込まれるとき、すなわち最終的な債務超過が見込まれるときは、期限切れ欠損金の損金算入を認められることになったということです。

その見込みの予測は一回限りということではないので、各決算申告時に予測し直して、その予測見込にもとづいて、期限切れ欠損金の損金算入をすることになります。

 ここで言う期限切れ欠損金とは、税務上特に管理されてきたものはないので、税務上の利益積立金のマイナス残の金額を指すものと思われます。


◇清算事業年度での交際費、仮装経理

 また、清算中の事業年度については、交際費損金不算入は不適用、仮装経理税額は即還付とされていたところ、今後は交際費課税は適用されることになり、仮装経理税額は清算確定ではじめて即還付、それまで5年間は納付税額と相殺となりました。
これも、平成22年10月1日以後に解散した場合に適用されます。


◇解散後の親会社への影響

 なお、解散会社が債務超過状態で解散したとき、その株主が法人だった場合には、子会社株式消滅損の損金算入処理をします。

 ただし、子会社の100%親会社だった場合には、子会社株式消滅損は損金不算入ということになりました。

そのかわり、子会社に残った青色欠損金で引き続き51%超子会社のときに発生したものについては親会社に引き継げることになりました。

 これも、平成22年10月1日以後に解散した場合に適用されます。



記事提供 ゆりかご倶楽部








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