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タックスニュース
220702


平成22年7月の税務トピックス


平成22年6月までに発布された法令等

■平成22年分・平成23年分、住宅取得等資金の贈与税の非課税のあらまし(新旧措法70の2)

<要点>
 (1) 平成21・22年分には、旧制度(非課税限度額500万円)があり、平成22・23年分には、新制度(非課税限度額・22年分1,500万円、23年分1,000万円)が創設され、平成22年分については、新旧両方の適用があること。

 (2) 特定受贈者(直系尊属からの贈与により住宅取得等資金の取得をした個人で当該年の1月1日において20歳以上である者)の要件に新制度では「合計取得金額2,000万円以下」が加わったこと。

 これらのことから新旧制度の適用が複雑になることから、国税庁は、このほど「住宅取得等資金の贈与税の非課税のあらまし」(平成22年4月)を公表し、非課税限度額の計算を明確化しています。

 その公表を解説すると次のとおりです。

<解説>

 1 「合計所得金額2,000万円超の者」の非課税限度額については、新制度による限度額の適用はありませんので、非課税限度額は旧制度のみの適用で500万円が限度となります。

 したがって、平成22年までの旧制度の適用であり、平成23年の適用はないことになります。

さらに非課税限度額のうち平成21年において適用した金額がある場合には、500万円から当該適用金額を控除した金額が平成22年分の非課税額となります。

 2 「合計所得金額2,000万円以下の者」の非課税限度額については、新制度による限度額の適用がありますので平成22・23年にわたり新制度による非課税限度額(平成22年1,500万円、同23年1,000万円)の適用があります。

 したがって、平成22年1,500万円の適用に係る留意点を述べれば次のとおりです。

 (1) 新制度は、旧制度の適用を受けていた者でも受けることができます。しかし、この場合には旧制度により控除した非課税額を控除する必要があります。

 (2) 新制度を平成22年から適用すれば非課税限度枠1,500万円が設定され、たとえ同年に1,000万円の住宅取得等資金の贈与のみが行われたとしても、翌年23年に500万円の同資金の贈与を非課税枠として利用することができます。

そうしたことからも住宅取得等資金の贈与は、平成22年から始めることが効果的であると判断されます。

 (3) 非課税限度額は、受贈者ごとの限度額です。

なお、当該非課税額は、贈与者が死亡したときの相続税の課税価格には加算されません(措法70の2B、措令40の4の2EF)。

 3 住宅取得等資金の贈与に非課税枠を適用した後の金額については、課税財産となりますが、父母からの贈与の場合には相続時精算課税に係る特別控除額(2,500万円)後の額に税率20%の課税となり、それ以外の場合には暦年課税としての基礎控除(110万円)後の額に通常の税率を乗じた課税となります(相続税法21の9〜21の18)。


エッサムファミリー会 会報(平成22年7月号)より
法学博士・税理士右山昌一郎


記事提供 ゆりかご倶楽部








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