タックスニュース
22.12.16


中小企業倒産防止共済制度、私的整理開始でも共済金の貸付可能に


 中小企業倒産防止共済制度とは、取引先が倒産した場合、積み立てた掛金総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証人で貸し付け、中小企業の連鎖倒産を防止する制度です。

 同制度は、今年4月21日に中小企業倒産防止法の一部改正法が公布されていますが、具体的な改正内容と時期が、今回の政省令改正で定められました。

 改正によって、取引先の法的整理手続き(破産、会社更生、特別清算、民事再生)や手形取引停止処分に加え、弁護士等が関与する私的整理の一部にも共済金の貸付が可能になります。(但し、本年7月1日以降の私的整理から適用)

 しかし、私的整理の全部を対象としていませんので、注意が必要です。

 具体的には、取引先から売掛金債権等の債務整理の委託を受けた弁護士や弁護士法人、認定司法書士、簡裁訴訟代理等関係業務を目的とする司法書士法人から、「書面によってする支払いを停止する旨の通知(支払停止通知)」があった場合を対象としています。

※認定司法書士とは、訴訟の目的となるものの価額が140万円を超えない請求事件訴訟等について代理業務が行える司法書士をいいます。

 また、共済事由の拡大以外に、次の拡大も行われます。
 @共済金の貸付限度額:3,200万円→8,000万円
 A掛金の積立限度額:320万円→800万円
 B掛金月額上限:8万円→20万円
 C償還期間の上限:5年→10年(貸付額に応じて設定)
 D早期償還手当金の創設
 E申込金の廃止

 さらに、これらの掛金は、法人の場合は損金に、個人事業者は必要経費に算入できます。

 法人は、「特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書」(明細書は税務署にあります)へ必要事項を記入し、確定申告書に添付してください。

 個人事業主は、「中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書」(任意用紙)を作成し、確定申告書に添付してください。

 上記の改正については、政令及び経済産業省令等で定められておりますので、該当されます方は、くれぐれもご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年12月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供 ゆりかご倶楽部







平成22年12月の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています