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タックスニュース
211130


一流とは何か?



 一流とは何か。この定義、非常に難しいと思います。

 ある人から見るとAさんは、一流に感じるかもしれませんが、また、ある人から見ると一流とは感じないかもしれません。

なので、話の始めとして、何が一流かということについては、それぞれの方の判断に委ねればいいかなと思います。

 但し、誰が判断するかということは、明確にしなければなりません。
私は、一流であるかないかを決めるのは、「自分以外の人」だと思っています。
それはどういうことかと言うと、いくら「私は、一流です!」と言ったところで、意味がないということです。

 例えば、中途入社をされた方が「私が前にいた会社はこうだったけど、この会社には、まだこういうことがないですね。
この会社の組織はここが悪いですよ。一体、今まで何をやってきたのでしょうか」

若しくは、「私は、前の会社では、こういうことをやっていました。その時に実績はこうで、こういうことをやったのは私なのですよね」といったところで「誰が言っているの」と言いたくなるわけです。

 仕事の出来、不出来には、3種類あるとよく言われます。
それは、@言われたことすらできない、A言われたことはできる、B言われた以上のことを、その趣旨を考えて行うことができる、です。

もうおわかりだと思いますが、一流とは、B番を指します。
@では、企業にはいられなくなります。
Aはできて当り前です。
要は、Bにならないと一流とは言えません。

 さらに、一流かどうかの差は、自分以外のどれだけの人を感動させられるかだと思っています。

その「感動」は、いつしか「尊敬」に変っていくものと考えるからです。
自分以外の人から、尊敬を得ることこそ、一流の証ではないかと考えています。


 一流といわれる人たちは、具体的に何をどのように心掛けているのでしょう。

 私は、一流といわれる人たちは、まず、「志」を高く持とうと考えていると思います。
「志を持って、万物の源となす」これは、吉田松陰先生の言葉です。
全ての基本は、「志」だということです。

 では、この志を高く持つとはどういうことでしょう。
今の私の理解を述べますと次のようになります。

 人間には、この世に生まれてきた目的があり、そのことについては、何が何でも実行する必要がある。
その生まれてきた目的については、妥協しないということが、今の私にとっては、志を高く持つということなのではないかと思うのです。

 私自身の生まれてきた目的は、「中小企業の発展のための縁の下の力持ち」と考えています。
私は、常に、このことを心掛けるようにしていますし、何が起ころうと、その志を忘れてはならないと考えています。
これに対しては、絶対に、妥協してはならないのです。

 志、つまり自分の存在理由が、まだ、わからないという場合もあると思います。
そういった場合は、とにかく、目の前の事柄に向かって、ひたすら走ることも重要です。

頭で考えることも大切ですが、行動を起こさなければ、自分自身の生まれてきた目的など、わかってくるはずがないと思うからです。

 私は、まだ志の見えていない弊社の社員へ「一流になろうと思うなら、人の何倍も働かないといけないんじゃないの」と話をしています。

人間には、平等に24時間という時間があります。
しかし、その使い方次第では、3年、5年とたったときにかなりの差がでてきます。
まずは、「量をこなせ」と、私は社員たちを教育しています。


 イチローや古くは、長島、王。
こういう超一流の人間たちは、他の人間が寝静まっても、練習をしていたと聞きます。

結局は、人の何倍もの練習をしていたからこそ、あのような超一流になれたのです。

 私は、一流になりたいという思いがある場合、量をとことんこなしていけば、間違いなく一流に近付いていくと思いますし、のちのちは、一流になれると思います。

それには、やはり目の前にあることを、やって、やって、やってのけるしかないのです。
そして、初めてこなした量が質に転化し始めるのです。

 それほどやらなければ、経営者に指導なんてできないのです。
でも、それを成し遂げれば、経営者が、「あなたじゃないと」と言ってくれるようになるのです。
そうなるための出発点は、「寝食を忘れてしまうほど、仕事に熱中すること」を続けることなのです。

 「そんな馬車馬のように働いてどうするの」と聞く人がいます。
その答えは、「人から尊敬されるための出発点なんだ」と私は、答えることにしています。
そして、それが私にとって、この世の中に存在する意味なのです。

 手前みそになりますが、私共の社員の中でも、一流の仕事をしていると思える人間が何人かおります。
そのものたちは、10年以上、弊社の業務に携わっている人間たちです。
より短い時間で、一流になろうとするならば、24時間という平等に与えられた時間を自分自身で濃縮して使うしかないでしょう。

 私自身も量が少しは質に転化したかなと思えるようになったのに10年以上かかっています。
そして、私は、今はこの質をどう量に転化しようかと考えています。
質を落とさずに、量に転化しなければならないのです。


 一度言ったことは絶対に実行する。これを「コミットする」といいます。

 以前にも書きましたが、日産のリバイバルプランを最初にゴーン氏から聞いたとき、皆さんはどう思われましたか。

私は、「そんなことできるわけないんじゃないの?でも、すごい覚悟だな」と思いました。
しかし、1年経ち、2年経ち、あの時、ゴーン氏が言ったこと、即ち、約束したことが、全て実行されると、彼のことを皆、超一流の経営者であると思い始めました。
これも、一流になるための必須条件だと思います。

 自分自身が目標を立て、そして、それに向かって何が何でも成し遂げるということが、一流になるためには、絶対的に必要なことなのです。

日本の場合は、「不言実行」ということが日本人の心を表しているものとして、尊ばれてきました。
このことは、反面、言わなくてできなかったら、そのままにしておけばいいということになります。

 時代は、「有言実行」に傾いています。
このことに馴れていなかったので、ゴーン氏がリバイバルプランを発表した時に、私たちは、度肝を抜かれたのではないでしょうか。

話は大きくなっていますが、決してそんなに大きなことでなくてもいいのです。
自分で決めたことをコミットすればいいのです。

私自身で決めていることは、「スピードある判断をくだす」ということです。
これをコミットすることは、社員との信頼関係を創りあげる基礎とであり、一流となる第1歩目となるのではないでしょうか。

(記事提供者:株式会社上坂経営センター)


追記
 仏法において、「出世の本懐は、人の振る舞い」という言葉があります。
この出世とは、俗に言う会社での出世という意味ではなく、この世に出でた、この世にあるのは、この世に生まれたのはという意味であります。
 一流か否かは、振る舞い、行為、行動、実践、つまりその人の生き方、行いであろうと思います。
口だけの人ではなく行いが一流を決めるのでしょう。
 仕事上の一流だけでなく、振る舞いである行動、行為の生き方の一流でありたいものです。


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