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タックスニュース
210629


税務署長への異議申し立てが14.3%増



 国税庁が「平成20年度における不服申立て及び訴訟の概要」をとりまとめ、公表しています。

 納税者が、税務署長等が行った更正や決定などの課税処分、差押えなどの滞納処分等に不服がある場合、

まず処分を行った税務署長等に対して「異議申立て」を行い、

その異議申立てに対する決定になお不服があるときは、

国税不服審判所長に対して「審査請求」をすることができます。

また、その審査請求に対する裁決にも不服があるときは裁判所に処分の取り消しの訴え(訴訟)をすることができます。

 今回の公表は、平成20年度(平成20年4月から同21年3月まで)の「異議申立て」「審査請求」「訴訟」それぞれの発生状況と処理状況をまとめたものです。

<異議申立て>
 異議申立ての発生件数は、前年度より14.3%増加となる5359件でした。

消費税等に係る事案が前年度より33.4%も増えたほか、法人税に係る事案が19.0%、申告所得税に係る事案が14.9%増えたのが要因です。

一方、相続税・贈与税に係る事案は22.6%減少しています。

 なお、処理件数は5313件で、その内訳は「取り下げ等」が1330件、「却下」が477件、「棄却」が3038件、「一部取消」が400件、「全部取消」が68件でした。

納税者の主張が一部でも認められた件数(「一部取消」と「全部取消」を合わせた件数)は468件で、処理件数全体の8.8%となります。

これは前年度の11.2%を下回り、過去10年でもっとも低い数字です。

<審査請求>
 審査請求の発生件数は、前年度より2.9%増加となる2835件でした。

源泉所得税、法人税、相続税・贈与税に係る事案が減少したものの、申告所得税に係る事案が15.5%、消費税等に係る事案が11.8%増加しました。

 処理件数は2814件で、その内訳は「取り下げ等」が284件、「却下」が268件、「棄却」が1847件、「一部取消」が256件、「全部取消」が159件でした。

審査請求で納税者の主張が一部でも認められた件数は415件で、処理件数全体の14.7%となります。

これは前年度の12.7%を2ポイント上回り、2年連続での上昇となります。

<訴訟>
 訴訟の発生件数は、前年度より2.9%増加となる355件でした。

所得税に係る事案が7.3%増加したほか、「その他」に係る事件が69.2%増えています。

 なお、訴訟の終結状況は356件で、その内訳は「取り下げ等」が42件、「却下」が15件、「棄却」が261件、「(国の)一部敗訴」が12件、「(国の)全部敗訴」が26件でした。

納税者の主張が一部でも認められた件数は38件で終結件数全体の10.7%となります。

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