タックスニュース
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日本公認会計士協会が「事業承継マニュアル」を公開



 このたび、日本公認会計士協会が「事業承継マニュアル」を公開しました。

このマニュアルは同協会の経営研究調査会がまとめたもので、常務理事会で承認されて公表されることになりました。

 従来、同様の手引き書としては平成18年に中小企業庁の事業承継協議会がまとめた「事業承継ガイドライン〜中小企業の円滑な事業承継のための手引き〜」がありましたが、今回の「事業承継マニュアル」はそれをさらに実務的にしたものになっているようです。

 今回、発表された「事業承継マニュアル」は全163頁の2章構成となっています。

 第1章は「事業承継総論」で「事業承継支援の必要性と進め方」や「事業価値源泉の把握と分析」「事業承継環境の整備」「後継者の選定」というテーマについて、具体的な流れの提示や問題の検討を行っています。

 また、第2章では、先代経営者と後継者の属性に応じた各種の事業承継方法(「親族内承継」「親族外の役員・従業員への承継」「第三者への売却」)それぞれについて対策の検討が行われています。

 なお、第1章、第2章とも各項目ごとにチェックリストが用意されていますが、その内容は前述の「事業承継ガイドライン」で用意されていたチェックリストよりさらに細分化され、実務的になっているようです。

さらに付録として、11ページにわたる「事業承継計画書(記載例)」も収録されています。
 
 同協会はこのマニュアルについて、「近年、中小企業経営者の間で事業承継問題の重要性の認識が浸透してきたが、その方策を経営者が独学でなし得ることはおよそ不可能であり、専門家の支援が不可欠なため、今後、そのアドバイスやコンサルティングの重要性がますます高まる。

そのため、同研究報告は、会社法や民法等の法律面からも詳しく掘り下げ、改正予定の税制を考慮し、中小企業の支援業務に携わる公認会計士の一助にするため取りまとめた」としています。


業承継マニュアル
事業承継ポータル(中小企業庁)

ゆりかご倶楽部






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