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タックスニュース
200912
「名ばかり管理職」適正化に向けて厚労省が通達
厚生労働省が出した「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」という通達(9月9日付け)が話題になっています。
今年1月に東京地裁が出した「マクドナルドの店長は管理職には当たらない」という判決は、活発な報道活動などとも相まって、チェーン展開を行う外食産業やコンビニなどに大きな衝撃を与えました。
そもそも、管理職に残業代が支給されないというのは、労働基準法第41条2項において、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」については、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しないとされていることが根拠となっています。
ところが、上の条文における「監督若しくは管理の地位にある者」については、これまで「職務内容、責任と権限」「勤務態様」「賃金等の待遇」に着目、留意して総合的に判断する−という曖昧な基準しか示されていません。
今年の4月に労働基準局監督課長名で出された「管理監督者の範囲の適正化について」という通達においても、この問題に関して適切な監督指導を行うよう、都道府県労働局長に対して指示を行ったに過ぎませんでした。
厚生労働省の今回の通達は、「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における」という限定条件が付されているものの、今までの基準に具体例を示したという点で注目されています。
たとえば、「職務内容、責任と権限」においては、
(1).アルバイトやパート等の採用について責任と権限が無い。
(2).アルバイト・パート等の解雇について職務内容に含まれず、実質的にも関与せず、(3).部下の人事考課について職務内容に含まれず、実質的にも関与せず、
(4).勤務割表の作成、所定時間外労働の命令にについて責任と権限がないこと
という具体的な例示がされています。
また、「勤務態様」については、遅刻、早退等により減給の制裁、人事考課での負の評価など不利益な取扱いがされること、「賃金等の待遇」については、
(1).時間単価換算した場合にアルバイト・パート等の賃金額に満たない、
(2).時間単価換算した場合に最低賃金額に満たないことが示されています。
ただし、これらの要素により即「監督若しくは管理の地位にある者」ではないとされるのではなく、あくまでも「他の要素を含め総合的に判断」することになっています。
参考URL
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