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Thursday,February 17,2022


【時事解説】“まさか”のためのキャッシュ



 近年の日本企業は、内部留保により蓄積されたキャッシュの使い方が課題だといわれていました。

内部留保は、株主が自分のカネを投じた払込資本と会社が事業で稼ぎ出す利益剰余金から構成されます。

ただ、内部留保という時、一般的に意識されるのは後者の利益剰余金であることから、ここでは利益剰余金の蓄積を内部留保として扱います。

 事業で利益を上げると、最終的にキャッシュが積み上がります。

内部留保により蓄えられたキャッシュの利用方法は主として次の3つが考えられます。

成長に向けた投資と株主還元、そしてまさかのために備える準備資金です。

この3つはいつも同様に語られるわけではなく、局面に応じて注目度が異なります。

そして、非常時にある今、準備資金としてのキャッシュに俄然注目が集まっています。

 会社は利益を上げるために組織されたものですから、蓄積されたキャッシュは会社の成長のために使う、というのが第一義です。

つまり、固定資産やM&Aなどへの投資です。

高度成長時代は日本経済全体が拡大し、投資機会がふんだんにあったため、キャッシュを積極的に投資に振り向け、カネの使い道に困るということはありませんでした。

 しかし、人口減少時代に突入し、経済が停滞し始めると、様相が変わります。

採算に合う投資対象が見つけにくくなったのです。

会社成長のための投資ができないと、利益を上げる会社は余剰キャッシュがたまる一方になります。

金利が高ければまだ許されるのですが、現在のようにほとんど虫眼鏡で見なければ判別できないような金利では、利益創出という点で、会社でキャッシュを保有する意味はほとんどありません。

そこで、上場企業においては株主還元の出番になります。

 株式会社は最終的に株主財産を増加するための組織ですから、会社で使い切れないキャッシュがあれば、配当なり自社株買いで株主に還元すべきだという論理は、もっともなものです。

つい先日まではこの段階にあり、上場企業では株主還元が強く求められていました。

 しかるに、新型コロナウイルスで深刻化する経済不況はさらに局面を変えます。

 内部留保で蓄積されたキャッシュは第一義的に投資に振り向け、それでも使い切れないキャッシュは株主に還元し、余剰なキャッシュを持つべきではないというのは、平常時における正当な株式会社論です。

しかし、会社には何が起きるか分かりません。

自分の力ではいかんともしがたい非常事態に襲われることがあります。

たとえば、東日本大震災や今回の新型コロナウイルスの蔓延のような場合です。

会社には従業員をはじめ多くのステークホールダー(利害関係者)がいるのですから、こうした非常時に遭遇しても、ある程度持ちこたえなければなりません。

そうした非常時に、不可欠なのは自由に使えるキャッシュです。

平常時には無駄と思われたキャッシュが非常時には最も役立つ武器となるのです。

 平常時には効率経営の観点から余剰キャッシュを保有しないことが望ましいとされます。

「平常時はいつまでも続かない、必ず非常時は来る」ということは頭では分かっていても、平常時が長く続くと、そのことをついつい忘れ、株主からの要請に抗しきれず、極端な効率経営に走ってしまいがちです。

今回の新型コロナウイルスに伴う経済危機は、平常時においても非常時に備え、ある程度の余裕を持った経営をすることの必要性を改めて痛感させました。


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)


記事提供:ゆりかご倶楽部


[Studying English]





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)NATIONAL TAX AGENCY


2月17日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2022年2月16日


≪税の情報・手続・用紙≫
●「日本との間における国別報告書の自動的情報交換の実施対象国・地域」を更新しました(PDF/289KB)

≪国税庁等について≫
●総合職(技術系) セミナー・説明会


■財務省

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総務省  税制改正(地方税)

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法令解釈通達 |国税庁

消費税の軽減税率制度について|国税庁

国税不服審判所/公表裁決事例
国税庁/税務訴訟資料
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