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Tuesday,May 25,2021


《コラム》住民税と所得税の異なる課税方式選択手続が簡素化



異なる課税方式の選択が可

 上場株式等の配当所得の課税方式には、

@総合課税、
A申告分離課税、
B申告不要制度があります。

この課税方式の選択における所得税と個人住民税での関係について、平成29年度の地方税法の改正で、解釈の確認と言える規定が設けられました。

すなわち、上場株式等の配当所得や源泉徴収選択口座内の譲渡所得等について、所得税と個人住民税とで異なる課税方式を選択できることが明確化されました。


所得税と住民税の様式の不整合

 しかし、所得税の確定申告書の住民税に係る記載欄には、住民税での課税方式の選択欄がありません。

従って、所得税と住民税で、異なる課税方式を選択する場合には、個人住民税納税通知書送達日(5月下旬頃)前に、所得税とは異なる課税方式選択の旨を伝える申告書等の提出が必要でした。


有利不利の目安

 課税総所得金額が1000万円以下の場合(上場株式等の譲渡損失なし)であれば、所得税では総合課税、個人住民税では申告分離課税又は申告不要制度を選択するパターンが一般的には有利です。

 ちなみに、後期高齢者保険料や国民健康保険料の負担も、個人住民税に係る申告による所得をその料額計算の基礎としていますので、課税方式の選択の効果はここにも及びます。


日税連の税制建議と今年の税制改正

 なお、平成の終わり頃、この課税方式選択に係る住民税額や保険料額の長期に亘る決定誤りがあったと公表する自治体が続出していました。

これを承けて、日本税理士会連合会は2019年7月22日提出の「税制改正建議書」の中で、「上場株式等の配当所得等に関し、個人住民税において所得税と異なる課税方式を選択する場合の申告手続を簡素化すること」を申し入れていました。

 今年の税制改正大綱では、個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、

原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する、とされ、税理士会の要望が実現しています。

 令和3年分からの所得税の確定申告書作成では、住民税欄の附記事項記載に要注意です。


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)


5月25日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2021年5月24日


≪トピックス≫
●「インボイス制度特設サイト」をリニューアルしました
≪法令等≫
●令和2年9月30日付課法2−33ほか2課共同「グループ通算制度に関する取扱通達の制定について」(法令解釈通達)の趣旨説明
≪お知らせ≫
●「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達の制定について(法令解釈通達)」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について(e-Govへリンク)


■財務省

財務省 各年度別の税制改正の内容

総務省  税制改正(地方税)

ご意見箱 財務省

法令解釈通達 |国税庁

消費税の軽減税率制度について|国税庁
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