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Tuesday, January 07, 2020


《コラム》領収書から医療費通知書へ  



医療費控除の要件

 医療費控除を所得税の確定申告で受けるには医療費の領収書の添付又は提示が必要で、特にその明細一覧表の作成は義務ではありませんでした。

それが、平成29年の税制改正で、医療費領収書の添付又は提示が不要となり、その代わりに、医療費控除の明細書を作成し、添付することになりました。

ただし、領収書の5年間の保存義務があります。


医療費控除の明細書

 医療費控除の明細書には、医療費年額、受診者名、医療機関名、その他参考事項の4項目を記載することとなっており、特に各項目別に分別記載することは要求されていません。

ただし、国税庁の用意している「医療費控除の明細書」では、各項目を分別してそれぞれの年合計を書くという形式になっています。


医療費通知書がある場合

 医療保険機関から交付を受けた医療費通知書がある場合には、その医療費通知書を添付すると医療費控除の明細書の作成添付はしなくて済みます。

医療費通知書には、@被保険者名、A受診年月、B受診者名、C診療機関名、D窓口負担額、E保険者名、が、受診の都度毎、書かれているので、領収書保存義務もありません。


実態は混合型

 ところが、医療費通知書の発行は、診療等の後、しばらく遅れるので、年の後半分については、確定申告期限に間に合わないことが多いようです。

実態は、医療費通知書のみの添付で済ますことが出来ず、通知不足分については、医療費控除の明細書を作成することになります。

また、保険適用外の医療費については、当然ながら、医療費控除の明細書への記載しか方法はありません。

窓口実負担と記載負担額が異なることもあり、実負担が原則です。


未来のIT化と今年最後の添付方式

 でも、この改正からは、当局の領収書管理事務からの解放も含め、制度も、手続も、IT時代にふさわしい進化を進めようとしている意志を感じさせられるところです。

 医療費通知書の発行を早め、確定申告期限に間に合うようにする努力が続けられることと思われます。

ただし、令和元年(2019年)分の確定申告での医療費控除は、経過措置として、領収書を添付し医療費合計の直接記載で済ませてもよい、ことになっています。


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)


1月7日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2020年1月6日


≪トピックス≫
●「令和元年分 確定申告特集」
≪税の情報・手続・用紙≫
●所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について


■財務省

財務省 各年度別の税制改正の内容

総務省  税制改正(地方税)

ご意見箱 財務省

法令解釈通達 |国税庁

消費税の軽減税率制度について|国税庁
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