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Friday, September 06, 2019


【時事解説】銀行員と決算書



 スルガ銀行における書類の改竄による不正融資事件が大きな社会問題になっています。

銀行員の書類改竄といえば、少し前には商工中金による決算書の改竄事件が話題になりました。

私は決算書の正確性を何よりも重んじるべき銀行員が決算書の改竄に手を染めたことに驚くと同時に、これはこれからの銀行融資に思ったより打撃を与えるのではないかという思いを持ちました。

そこで、本稿では商工中金事件を題材に銀行員と決算書の関係を考えます。

 銀行員が企業融資の可否を判断する最も重要な資料は決算書となります。

ですから、銀行員にとって決算書は重要であり、決算書の不正は許せないものであるはずです。

上場企業の決算書は会計監査人の監査を得て、一応の正確性の外的担保はなされていますが、非上場企業の決算書にはそうした外的担保がないため、銀行員は経営者に適正な決算書の提出を強く求めます。

にもかかわらず、その銀行員が決算書の不正に手を染めていたのでは、経営者に適正な決算書を作成してくれとはいえなくなります。

 これまでの銀行における粉飾とは、そのままではとても融資ができないような内容の悪い会社の決算書の数値を良い方向に改竄し、不正に融資を引き出すというものでした。

今回は逆に売上高や利益を悪い方向に操作して、公的な資金を引き出しています。

通常の粉飾とは逆方向だから、許されるという性質のものではありません。

どちらも決算書の数値を自分の都合のいいように恣意的に操作して不正に資金を獲得していることには変わらないのですから。

 この事件の報道を聞いて私が驚くのは、決算書の正確性をなにより大切にすべき銀行員が、決算書の数値は自分が望むように操作できると思っているという決算書に対する認識の甘さです。

 この不正に関わっていた個々の職員がどのような心の葛藤があったのかは分かりません。

周りがやっているからということで何の迷いもなく決算書の改竄に手を染めたのか、あるいは上司に言われ、不本意ながら本当にやむを得ず、断腸の思いで不正に加担してしまったのか。

もし前者だとしたら、銀行員の決算書に対する意識の低さに唖然としますし、彼らに対して改めて会計の倫理教育の徹底が必要となります。

もし後者だとしたら、個人の正義感をも押し殺してしまう、組織と個人のあり方を問い直さなければなりません。

 現在、AI(人工知能)が取って代わることのできる職務は何かということが雑誌などで盛んに特集されています。

銀行の融資業務もAIで代替できる業務の一つとして取り上げられていますが、銀行のメイン業務である融資がAIに代わることの抵抗感は銀行及び銀行員の間では根強いはずです。

融資がAIには代替できない理由の一つは、AIでは機械的な冷たい融資判断となるが、人間であれば、決算書の数値の行間を読んだ、柔軟な融資判断ができるという点にあります。

しかし、柔軟な融資判断に、粉飾による不正な融資までも含まれてしまうとすれば、AIに冷徹に融資判断してもらった方がいいと言われても反論はできないでしょう。

 今回の不正事件は銀行員のレーゾンデートル(存在意義)を揺るがす重大事件であるとの認識を銀行員は持たなければならないと思います。


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)

9月6日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2019年9月5日

≪刊行物等≫
●源泉所得税の改正のあらまし(日クロアチア租税協定関係)を掲載しました(PDF/215KB)


■財務省

財務省 各年度別の税制改正の内容

総務省  税制改正(地方税)

ご意見箱 財務省

法令解釈通達 |国税庁

消費税の軽減税率制度について|国税庁
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