【会計Info】経理・税務会計情報サイト 人間中心のTAXを見つめています 

タックスニュース          2019年の記事一覧へ
Wedensday, August 28, 2019


欠損金の繰戻し還付制度の適用要件に注意



 欠損金の繰戻し還付制度とは、前年度に黒字であった法人が、今年度は経営悪化などで赤字に陥った場合に、前年度に納税した法人税の還付を受けることができる制度です。

 ただし、この制度は、解散等の事実が生じた場合の欠損金額及び中小企業者等の各事業年度において生じた欠損金額を除き、1992年4月から2020年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については適用が停止されております。

 適用対象となる中小企業者等とは、資本金等の額が1億円以下の法人や資本等を有しない法人ですが、大法人(資本金の額が5億円以上である法人等)による完全支配関係がある法人や100%グループ内の複数の大法人に発行済株式の全部を所有されている法人は該当しません。

 なお、資本金1億円以下の法人かどうかを判定するのは、事業年度終了時をいいますので、事業年度途中の増資にはご注意ください。

 制度の適用を受けるためには、還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度まで、連続して青色申告書である確定申告書を提出していることが必要です。

 さらに、欠損事業年度の確定申告書の提出期限までに確定申告書とともに還付請求書を提出しなければならないとの要件を満たす必要がありますので、該当されます方はご確認ください。

 還付請求書の記入にあたっては、還付請求金額の計算の基となる還付所得事業年度の法人税額からは、延滞税や加算税などの附帯税の額は除外されます。

 なお、還付請求書を提出した場合には、税務署長はその請求の基礎となった欠損金額その他必要な事項について調査することが税法で規定されていますが、その還付請求書の内容にもよりますし、申告内容に誤りや疑問がなければ、問題なく還付されますので、必ずしも税務調査が行われるとは限りません。

 繰戻し還付における当期の還付金額は、前期の法人税額×当期の欠損金額(前期の所得金額が上限)/前期の所得金額で計算した金額となります。

 例えば、前期に100万円の黒字で15万円の法人税を納付(特例税率15%の場合)した法人が、今期50万円の赤字のケースでは、前期の黒字と今期の赤字を相殺し、15万円×50万円/100万円で計算した7.5万円が前期に納税した法人税から還付されます。


(注意)
 上記の記載内容は、令和元年8月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)

8月28日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2019年8月27日


≪税の情報・手続・用紙≫
●日本酒輸出戦略ビジネスサミット2019の開催について
●「令和元年度日本産酒類の付加価値向上のためのビジネスセミナー」の開催について


■財務省

財務省 各年度別の税制改正の内容

総務省  税制改正(地方税)

ご意見箱 財務省

法令解釈通達 |国税庁

消費税の軽減税率制度について|国税庁
2019年の記事一覧へ




川島会計事務所
人間中心のTAXを見つめています

2019年の記事一覧へ