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Friday, October 19, 2018


2018年10月の税務トピックス(特例経営承継受贈者の適用要件)


(特例経営承継受贈者の適用要件)

はじめに

 中小企業経営者の高齢化に伴い、今後10年の間に平均引退年齢である70歳を超える経営者が245万人になると推定されています。

このうち、半数以上が事業承継の準備を終えていない現況にあります。

そこで、平成30年度税制改正では、円滑な世代交代に向けた集中取組み期間(10年間)の時限措置として、事業承継税制の各種要件の緩和を含む事業承継税制の特例制度(以下「本特例」といいます。)が創設されました。

 本稿では、本特例の適用対象者である特例経営承継受贈者(以下単に「特例受贈者」といいます。)の適用要件及びその実務上の留意点について解説することとします。


T 特例受贈者の定義

 「特例受贈者」とは、特例贈与者から本特例の規定の適用に係る贈与により特例認定贈与承継会社(以下単に「特例会社」といいます。)の非上場株式等の取得をした後継者で、次に掲げる要件の全てを満たす者(その者が2人又は3人以上ある場合には、その特例会社が定めた2人又は3人までに限ります。)とされます(措法70の7の5A六)。

@ 贈与の日において20歳以上であること。

A 贈与の時において、特例会社の代表権(制限が加えられた代表権を除きます。)を有していること。

B 贈与の時において、後継者及び後継者の親族などで総株主等議決権数の50%超の議決権数を保有すること。

C 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める要件を満たしていること。
 イ後継者が1人の場合…同族関係者の中で筆頭株主であること。

 ロ後継者が2人又は3人の場合…各後継者が10%以上の議決権を有し、かつ、同族関係者の中で上位2位以内(後継者2人の場合)又は3位以内(後継者3人の場合)であること。

D 贈与の時からその贈与の日の属する年分の贈与税の申告書の提出期限(その提出期限前に後継者が死亡した場合には、その死亡の日)まで取得した株式等を継続して保有していること。

E 贈与直前において3年以上役員(会社法上の役員及び業務を執行する社員を含みます。)であること(措規23の12の2G,会社法329@)。

F 特例会社の株式等について、一般措置(措法70の7@,同法70の7の2@)の適用を受けていないこと。

G 特例承継計画に記載された後継者であること(措規23の12の2H)。


U 相続時精算課税制度の適用範囲の拡大

 平成30年度税制改正前では、60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の子又は孫(直系卑属)への贈与が相続時精算課税制度の対象とされていました。

 平成30年度税制改正では、改正前の制度に加えて、特例対象受贈非上場株式等を贈与により取得した特例受贈者が特例贈与者の推定相続人以外の者(その年1月1日において20歳以上である者に限ります。)であり、かつ、その特例贈与者が同日において60歳以上の者である場合には、相続時精算課税の適用を受けることができることとされます(措法70の2の7@)。

 この場合における「推定相続人」とは、その贈与をした者の直系卑属である者のうちその年1月1日において20歳以上である者とされます(措通70の2の7−2)。

 なお、この改正は、平成30年1月1日以後に贈与により取得する株式等に係る贈与税について適用されます(平成30年度改正法附則118D)


おわりに
 前述したTCイ又はロのいずれの場合に該当するかは、同一の特例贈与者から同一の特例会社の株式等を「贈与税の納税猶予及び免除の特例(措法70の7の5@)」の規定の適用に係る贈与により取得した個人の数によることとされます(措通70の7の5−10(注)1)。

 また、前述したTCロに掲げる要件の判定は、その贈与のうち最後に行われた贈与直後のいずれの特例受贈者の有する株式等が特例贈与者の有する特例会社の株式等の数等を上回ること(同率の場合は不可)とされていますので留意して下さい。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)

10月19日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:平成30年10月18日


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●清酒製造業者の輸出概況(平成29年度調査分)について
●清酒製造業の概況(平成29年度調査分)について



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