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Friday, September 21, 2018


2018年9月の税務トピックス 【特例贈与者の適用要件】


【特例贈与者の適用要件】

はじめに

 中小企業経営者の高齢化に伴い、今後10年の間に平均引退年齢である70歳を超える経営者が245万人になると推定されています。

このうち、半数以上が事業承継の準備を終えていない現況にあります。

そこで、平成30年度税制改正では、円滑な世代交代に向けた集中取組み期間(10年間)の時限措置として、事業承継税制の各種要件の緩和を含む事業承継税制の特例制度(以下「本特例」といいます。)が創設されました。

 本稿では、本特例の適用対象者である特例贈与者の適用要件及びその実務上の留意点について解説することとします。

T 特例贈与者の定義

 「特例贈与者」とは、特例認定贈与承継会社(以下単に「特例会社」といいます。)の非上場株式等(議決権に制限のないものに限ります。以下同じ)を有していた個人として次の1又は2に定める者(特例会社の非上場株式等について既に本特例の適用に係る贈与をしているものを除きます。)とされます(措法70の7の5@,措令40の8の5@)。

1 贈与の直前において、既に本特例の適用を受けている者がいる場合…贈与時において、特例会社の代表権(制限が加えられた代表権を除きます。以下同じ)を有していないこと。

2 上記1以外の場合…次に掲げる要件の全てを満たすこと。

@ 贈与の時前において、特例会社の代表権を有していた個人

A 贈与の直前において、贈与者及び贈与者の親族などで総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、特例経営承継受贈者(以下単に「特例受贈者」といいます。)を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

B 贈与時において、特例会社の代表権を有していないこと

C 特例承継計画に記載された個人であること


U 贈与株数要件

 次の1又は2の区分に応じて、それぞれに掲げる贈与株数要件を満たすものとされます(措法70の7の5@一・二)。この場合において、その年分の贈与税の申告書に本特例の適用を受ける旨の記載があるものが対象とされます(措通70の7の5−3(注)6)。

1 特例受贈者が1人のケース

@ 贈与直前において、特例贈与者が有していた特例会社の非上場株式等の数等が発行済株式等の総数等の2/3から特例受贈者が有していた株数等を控除した残数等以上の場合…控除した残数等以上の数等に相当する非上場株式等の贈与

A 上記@以外の場合…特例贈与者が贈与直前に有していた非上場株式等の全ての贈与
2 特例受贈者が2人又は3人のケース(次の@及びAの全ての要件を満たす場合)

@ 贈与後におけるいずれの特例受贈者の有する特例会社の非上場株式等の数等が発行済株式等の総数等の10%以上となる贈与

A いずれの特例受贈者の有する株数等が特例贈与者の有する特例会社の非上場株式等の数等を上回る贈与(特例贈与者と特例受贈者が同率の場合は不可)


V 贈与の範囲

 平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間の最初の本特例の適用に係る贈与及びその贈与に係る特例経営贈与承継期間の末日までの間に贈与税の申告書の提出期限が到来する追加贈与に限られます(措法70の7の5@)。

 そこで、最初の贈与者は、@代表権を有していた者、A50%超の株主グループに所属している者、B贈与直前に筆頭株主である者(特例受贈者を除きます。)C特例承継計画に記載された者で前述したUに掲げる贈与株数要件を満たす贈与とされます。


おわりに
 特例贈与者における対象となる贈与は、原則として1回限りとされます。
ただし、例外として、特例受贈者が2人又は3人以上ある場合において、同一年中に、これらの特例受贈者に対して行った贈与は前述したTに掲げる「既に本特例の適用に係る贈与をしているもの」に含まれないこととされます(措通70の7の5−2(注))。
 また、特例贈与をした者は、特例被相続人になることができませんので留意して下さい(円滑化規6@十二ト(7))。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


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