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タックスニュース
  Tuesday, August 21, 2018


欠損金の繰戻しによる還付と事業税および法人住民税での調整


欠損金の繰戻しによる還付

 前期が黒字で納税し、当期が赤字となった場合に、前期の税金の一部を還付してもらえる制度があります。

青色申告法人の欠損金の繰戻し還付制度です。

これは、平成4年4月1日から適用が停止されていますが、

一定の場合(@解散等やA中小企業者等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額)には除外となっており、青色申告の中小企業には、所定の要件を満たせば、適用されています。


法人税と地方税での取扱いの違い

 この規定は国税である法人税(地方法人税含む)の繰戻し還付であり、地方税である事業税や住民税には適用されません。

1)事業税−事業税では還付制度がないため、欠損金額は、常に繰越控除の対象となります。

そのため、法人税の欠損金の明細の「別表七(一)」と事業税の欠損金明細の「第六号様式別表九」とでは差が生じます。

2)住民税−欠損金の繰戻しで法人税額の還付を受けた場合は、その還付法人税額を限度として計算した額を、その後の各事業年度(7年)における法人税割の課税標準となる法人税額から控除することとなります。

 具体的には、法人事業税・法人県民税確定申告書(第六号様式)の「還付法人税額等の控除額」として記載され、法人税割額を計算する際に調整されることになります。

また、法人市民税も同様に調整されます。

これは、法人住民税の法人税割の課税標準が法人税額に拠っているためです。


繰戻し還付から数年経つ場合は見直しを

 事業税は繰越控除額をそのまま引き継ぐので適用漏れの心配はいりません。

一方、住民税は所定の欄に記載をしないと適用されません。

繰戻し還付をした翌年や翌々年であれば適用忘れは少ないでしょう。

しかしながら、繰戻し還付後に再度欠損が継続し、法人税割額が発生していなかったような場合は、適用漏れとなる恐れもあります。

特に、途中で顧問税理士が変わっていたり担当者が退職していたりした場合、直近5年分の申告書控えは引き継いでいたが、7年前の繰戻し還付の引継ぎが漏れていたということも起こりかねません。

 過去に繰戻し還付をしたことがある場合には、住民税の法人税割額が再発生した年度に遡って「還付法人税額等の控除額」の適用漏れがなかったか確認してみましょう。


記事提供:ゆりかご倶楽部





参考URL


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