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タックスニュース
Friday,December 22,2017


【時事解説】よろず支援拠点による小規模企業支援


 よろず支援拠点は、国による中小企業・小規模事業者に対する総合的な支援機関として2014年6月に各都道府県に設置されました。

よろず支援拠点による主な支援内容は、

@売上拡大等の課題解決策を提示する「経営革新支援」、

A資金繰り改善や事業再生等の課題解決策を提示する「経営改善支援」、

Bどこに相談すべきかわからない事業者に対して的確な支援機関等を紹介する「ワンストップサービス」に大別されます。

よろず支援拠点には、経営相談に対応する専門家であるコーディネーターが配置され、中小企業・小規模事業者からの経営相談に対するきめ細やかな対応を行っています。

 以下で「小規模企業白書2016年版」に沿って、よろず支援拠点の特徴についてみていきましょう。

 まず、相談者の規模についてみると、創業前の者が約1割、従業員数20人以下の事業者が約7割となっており、小規模企業の占める割合が高いことがわかります。

 次に、よろず支援拠点に配置されている専門家の経歴についてみると、経営コンサルタントが最も多く、他にも民間企業出身者、支援機関出身者など幅広い専門家を揃えていることがわかります。

 相談の解決手法としては、コーディネーターによる直接的なアドバイス以外にも、相談内容に応じて適切な支援機関や専門家を紹介する「ワンストップ支援」や、外部の支援機関等と支援チームを構成して課題解決にあたる「チーム支援」など外部の支援機関の専門家と連携した対応も行っています。

 このように、よろず支援拠点では他の支援機関とも連携しながらとくに小規模企業が抱える様々な経営相談にワンストップで対応することが期待されているのです。

 では、よろず支援拠点においては具体的にどのような支援が行われているのでしょうか。

ここでは「小規模企業白書2016年版」において、よろず支援拠点の事例として紹介されている木村屋菓子店(宮城県柴田郡村田町)への支援の取組みについてみていきましょう。

 同店は1904年(明治37年)創業の老舗の菓子店で、「まんじゅう」や「もち菓子」、「ようかん」など和菓子を中心に製造・販売しています。

近年では町内の常連客だけでなく、観光客へと販売を拡大するため、町の歴史や風情を取り入れたオリジナル商品の開発にも力を入れています。

 ここ最近有名菓子店の近隣への出店という環境変化を受け、同店は商工会の経営指導員に対応策を相談しました。

相談を受けた商工会の経営指導員は、同店が開発したオリジナル商品のブランド化を急ぐ必要があると感じ、商標登録を勧めました。

しかし、商標登録申請には専門的な知識も必要であるため、宮城県よろず支援拠点のコーディネーターに協力を依頼し、宮城県発明協会とも連携して同店への支援を開始しました。

具体的には看板商品の商標登録に向けた支援や、その後の事業展開に向けた支援を商工会とよろず支援拠点とが連携して行っています。

 上記のように相談者の支援に対し専門的に知識が必要な場合は、一つの支援機関だけでは対応できない場合もあります。

こうした中、相談内容に応じて適切な支援機関や専門家を紹介するといったよろず支援拠点がもつ「ワンストップ支援」の機能を活用することによって、小規模企業が抱える様々な経営課題に対して効果的な解決策を提供することが可能となるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供:ゆりかご倶楽部






国税庁HP新着情報
12月22日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成29年12月21日

●「平成30年4月1日実施のたばこ税の手持品課税について」を掲載しました
●「平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます」(リーフレット)が掲載されました
●地理的表示「壱岐」、「球磨」、「琉球」及び「薩摩」の変更に関する意見募集について(e-Govへリンク)
●株式の保有関係が変更している場合の支配関係の継続要件の判定について(文書回答事例)(平成29年12月12日)



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