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191018


消費税(個人)の税務調査件数は引き続き増加傾向



 このほど国税庁が公表した「平成18事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」によると、前年度に大幅に増加した個人消費税に対する税務調査等の件数が、さらに2万件以上増加していることが明らかになりました。

 同公表結果によると、個人消費税に対する平成18事務年度の調査等の件数は9万6443件で、前事務年度に比べて2万4074件増加しています。

個人消費税に対する調査等件数は平成14年度以降、3万9千件→3万4千件→3万件と比較的穏やかに推移していましたが、平成17事務年度に7万2千件と一挙に跳ね上がっています。

 これは、平成15年度の消費税法改正により消費税の免税点や簡易課税の適用上限が引下げられ、消費税課税業者や原則課税事業者が大幅に増えたこと、また消費税の滞納が社会問題になっていることなどから、国税庁が消費税について重点的に調査を実施したためだといわれています。

 平成18事務年度の調査等件数が、この平成17事務年度を2万件以上超える調査等件数となったことは、引き続き国税庁が本気だということを表しているといっても良いでしょう。

 また、平成17事務年度に前年度比で3倍近く増えた「簡易な接触」による調査が、前年度の1万7711件から1万5041件に減少しています。

簡易な接触とは、計算の誤りや各種控除の適用誤りなど簡単な誤り内容について、納税者に電話するか、または税務署に呼んで是正する調査のことです。

 この減少が、前述の改正で新たに課税事業者や原則課税事業者になった人が申告方法に慣れた結果として、ケアレスミスが減ったためなのか、それとも税務署の「簡易な接触」に対する適用基準が変わったためなのか、多少気になるところです。

 なお、個人消費税の調査等の結果、申告漏れ等の非違が発見されたのは調査等件数の71.1%にあたる6万8560件で、追徴税額は加算税を含めて256億円でした。






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