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タックスニュース
190703


事業承継協議会が承継税制などについて中間報告



 経済産業省(中小企業庁)が「事業承継協議会の検討成果について」を公開しました。

 現在、中小企業数の減少が問題視されています。
中小企業は我が国経済の活力源であり、雇用の受け皿ともなっています。

また、時折テレビ等でも見かけるように、中小企業のなかにには我が国の国際競争力を高める技術を持っているところも多くあります。
このような中小企業が減少するのは、我が国の経済にとって大きな損失です。

 そのため中小企業庁では、2005年10月に弁護士、税理士、金融機関関係者などの実務家を中心とする「事業承継協議会」(代表理事=山口信夫日本商工会議所会頭)を設立。

円滑な事業承継のための諸制度の検討を進めており、昨年6月には、中小企業の円滑な事業承継のための手引き「事業承継ガイドライン」が同協議会によってまとめられました。

 今回の「事業承継協議会の検討成果について」は、同協議会内に設置された「事業承継税制検討委員会」及び「相続関連事業承継法制等検討委員会」が策定した、事業承継に係る税制及び相続法上の課題解決に向けた「中間報告」です。

 まず、事業承継税制検討委員会では、非上場株式に係る事業承継税制の見直しを中心とした、事業用資産に係る税負担減免措置を中心のテーマとしています。

 具体的には、最低5年間の株式保有の継続や経営従事、雇用確保など、事業が継続される要件を明らかにした上で、事業承継時の非上場株式の相続税評価額について、事業用地に対する相続税評価額の減額幅80%との均衡を図るとしました。

さらに、その他の事業用資産についても、農地の納税猶予制度と同様の大幅減額制度を検討すべきとしています。
 また、現行の非上場株式の評価方式(類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式など)についても、見直しを図るべきとしています。

 一方、相続関連事業承継法制等検討委員会のテーマは、相続開始後の遺留分に係る紛争防止です。

相続開始済の中小企業のうち、8%の企業が何らかの相続紛争を経験しています。

このことから、相続開始前に遺留分に関する対策を行う場合や、遺留分に関する対策が十分なされないまま相続が開始した場合について、「事業承継契約(仮称)スキーム」を初めとした、さまざまな対策の方向性を指摘しています。

 また、現在の遺言や死因贈与契約は、遺言者等の意思によって撤回することが可能なため、後継者の地位が確約されてないことを問題視。
撤回できない死因贈与契約等の要件などについても検討すべきとしています。







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