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タックスニュース190821会社の遊休地などを売却した場合は消費税に注意先日、国税庁が発表した2007年分の路線価では、全国の標準宅地の平均路線価が前年より8.6%も上昇しました。 地域格差こそあるものの、全国的には土地価格の値上がり基調がより明確になってきたといっても良いでしょう。 このように土地価格が上がってくると、所有する遊休地などの売却を検討する会社が増えてきます。ただ、消費税の原則課税を利用している場合には注意が必要です。 原則課税の場合、消費税額は「預かり消費税−支払い消費税」で計算します。 しかし、場合によっては、この「支払い消費税」をそのまま仕入税額控除できないケースがあります。 課税売上割合が95%未満になった場合もそのケースの一つです、課税売上割合とは総売上高に占める課税売上の割合のことをいいます。 そして、この場合の総売上高には土地の売却額(非課税売上)が含まれます。 課税売上割合が95%未満になると、以下の個別対応方式か一括比例配分方式のどちらかで仕入税額控除額を計算することになります。 ■個別対応方式 仕入税額控除額=a+(c×課税売上割合) a.課税売上にのみ要する課税仕入税額 b.非課税売上にのみ要する課税仕入税額 c.課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入税額 ■一括比例配分方式 仕入税額控除額=課税仕入税額×課税売上割合 たとえば、本業の課税売上1億4千万円に加え、土地の売却額が6千万円あったケースを考えてみましょう。 この場合の課税売上割合は1億4千万円÷(1億4千万円+6千万円)=70%になります。ここで、一括比例配分方式を選択すると、課税仕入税額(支払い消費税)の70%しか仕入税額控除できないことになります。 個別対応方式は一般的に税額面で有利ですが、課税仕入の区分(abc)がかなり面倒で、ケースによっては税務署から一括比例配分方式の方を勧められることもあるようです。 しかし、たまたま土地を売却しただけで支払う消費税額が増えてしまうのは、ある意味で理不尽です。 そこで、個別対応方式を利用することを前提に、土地の譲渡等が偶発的なものであり、かつ、この土地の譲渡等がなかったとした場合に事業の実態に変動がないと認められた場合には、次の1または2のいずれか低い割合を、実際の課税売上割合に代えて利用することができるようになっています。 1.この土地の譲渡等があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合 2.この土地の譲渡等があった課税期間の前課税期間の課税売上割合 ただし、そのためには「課税売上割合に準ずる割合の承認申請」を税務署長に提出して承認を受ける必要があります。 なお、この手続きは申請してから承認を受けるまで時間がかかりますので、期末直前などに土地を売却した場合は、間に合わなくなることもあります。 参考URL 国税庁 質疑応答事例 |
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