|
|
Section |
タックスニュース190413改正減価償却制度での資本的支出の取り扱いが明らかに今般税制改正で見直された減価償却制度において、資本的支出の取り扱いが政令で明らかになっています。 従来、資本的支出は対象となる減価償却資産の帳簿価額に増額する形で処理されてました。 それが今回改正により、基本的に「その有する(資本的支出の対象となった)減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したもの」とされることになりました。(法令55) なお、改正政令では、この資本的支出によって「新たに取得した」ことになる減価償却資産を「追加償却資産」といっています。 なぜ、このような取り扱いに変わったのかというと、今回の改正前と改正後で減価償却資産の償却率等が変わることになったためでしょう。 つまり、改正前の減価償却資産と改正後に行われた資本的支出に対する償却率等の取り扱いが異なるケースなどが出てくるため、別々に処理できる体系に変更されたのだと思われます。 ただし、減価償却資産とそれに対する資本的支出を別々に管理するとなると、製造業など固定資産の多い業種などでは事務処理が煩雑になることが予想されます。 そこで、今般改正では以下の特例もあわせて手当てされています。 ■平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産に対する資本的支出 資本的支出を従来通り減価償却資産の取得価額に加算できる(法令55-2、所令127-2) ■平成19年4月1日以降に取得された減価償却資産に対する資本的支出 減価償却資産と資本的支出の両方を新しい定率法で処理している場合は、翌事業年度においてその合計額を取得価額とする「新たに取得した」減価償却資産として扱うことができる(法令55-4、所令127-4) ■平成19年4月1日以降に取得された減価償却資産に対する資本的支出 追加償却資産に定率法を採用している場合は、翌事業年度において「種類及び耐用年数を同じくする」他の追加償却資産との合算額を取得価額とする「新たに取得した」減価償却資産として扱うことができる(法令55-5、所令127-5) なお、平成20年4月1日以降に取得されたリース資産(減価償却資産とされるもの)に対する資本的支出についても、追加償却資産をリース資産とみなすとともに、そのリース期間を支出日からリース資産のリース期間の満了日までとすることも規定されています。(法令55-3、所令127-3) (なお、国税庁は4月13日に「法人の減価償却制度の改正のあらまし」を公表しました。) 参考URL
|
平成19年4月の記事一覧へ |