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タックスニュース
2016.08.09


《コラム》金融機関の「暦年贈与サポートサービス」



「暦年贈与サポートサービス」の照会事例

 国税庁のホームページには、「事前照会に対する文書回答事例」が公表されていますが、平成28年3月に気になる照会事例が掲載されました。

ある金融機関が照会した「暦年贈与サポートサービスを利用した場合の相続税法第24条の該当性について」というものです(東京国税局回答)。

 この「暦年贈与サポートサービス」とは、その金融機関の預金口座を有する3親等以内の親族関係にある複数の個人を対象として、その個人間の「贈与の意思及び贈与金額の確認」を行い、「双方合意が存する場合」に限り、「贈与契約書の作成」や「預金の振替」等をサポートするサービスなのだそうです。

このサービスに基づく贈与は、相続税法の「定期金給付契約に関する権利」に該当するのかというのが照会の内容でした。


「定期金給付契約に関する権利」とは

 「定期金給付契約に関する権利」とは聞き慣れない言葉ですが、いわゆる「年金受給権」を指します。

たとえば、AがBに対して5年間現金100万円ずつ贈与する場合、これを「その1年ごとに個別に100万円ずつ贈与する」と見ることができれば、各年で110万円の基礎控除が適用できますので、贈与税は課税されません。

ただ、当初より5年間(毎年)現金100万円ずつを贈与するつもりであるならば、これは5年分の「定期金(年金)を受給する権利」を取得したと認定され、一時に贈与税が課税される恐れがあります。

この場合に、贈与を受けたものとみなされる金額は、次の@〜Bのいずれか多い金額とされています。

(有期定期金の場合)

@ 解約返戻金の額
A @に代えて一時金を受けることができる場合…一時金
B 1年間で受けるべき金額×残存期間に応じる予定利率の複利年金現価率


「直ち」には定期金給付契約と認定せず

 そのため、現金の「連年贈与」を行う場合と同様に、このサービスが「定期金給付契約に関する権利」に当たる余地があるか心配だ…ということなのです。

東京国税局の回答は、このサービスを用いた場合には、贈与の都度の確認があるため、「直ちに」は定期金給付契約とは認定しないとのことのようです(契約の内容や個別の状況などで判断する余地はあるのでしょうかね…)。




記事提供:ゆりかご倶楽部







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