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タックスニュース
2016.07.22


【時事解説】6次産業化と観光振興の融合



 近年、農林漁業などの生産者が、農林水産物の生産(1次産業)だけでなく、加工(2次産業)や流通・販売(3次産業)へと進出し事業領域の拡大を図ることで新たな付加価値を創出しつつ所得の向上を図る6次産業化への注目が集まっています。

 こうした6次産業化の取組みにおいては、農林水産物の生産者が、加工産業へと進出する過程で開発した製品をいかに都市部などへ販売していくかといった点が注目されがちです。

 しかし、6次産業化を推進することのメリットとしては、6次産業化の過程で開発された製品を、観光地の近隣の宿泊施設や飲食店などで提供し、観光客の集客につなげることができる点もあげられます。

観光地においては、宿泊施設や飲食店における「食」に対するニーズが高いことから、魅力的な製品を開発することで、宿泊施設や飲食店への集客につなげることが可能となります。

また、開発された製品を道の駅や産直市などで販売することで製品の売上増加だけでなく、地域資源のPRにつなげることもできます。

 また、6次産業化を進めていく過程では一定の生産量を確保することが課題となりますが、やみくもに販路拡大を狙うのではなく、まずは地域内の宿泊施設や飲食店での提供から始めることで、付加価値のあるブランドイメージを観光地内から構築していくことも可能となります。

 このように、6次産業化と観光振興の融合を図ることによって、観光地の魅力が向上し、集客増加や新たな雇用を創出することが期待されているのです。

 では、6次産業化と観光振興とを融合させることによって具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。

そこで、2015年10月に内閣官房と農林水産省が「ディスカバー農山漁村(むら)の宝(第2回)」の優良事例として、応募総数全国683地区から27地区選定したうちの1つである島根県浜田市の「美又湯気の里づくり委員会」の取組みについてみていきましょう。

 島根県浜田市に立地する美又温泉は、良好な泉質から「美肌の湯」として知られていますが、近年温泉街への集客が課題となっていました。

そこで、地域資源を活用した6次産業化の推進によって温泉街への集客を推進するべく「地域まるごと6次産業化」に向けた取組みを展開しています。

 具体的には1次産業として「黒米」「黒大豆」などを栽培し、2次産業としてNPO法人を設立して黒米や黒大豆の全量買取りによる黒米焼酎や黒豆豆腐の加工を行っています。

そして3次産業として美肌効果のある黒ブランドの食材として、これらの加工製品を美又温泉における温泉宿泊施設や飲食店、産直市などで販売しています。

 こうした、黒ブランドによる6次産業化推進の効果としては、黒米、黒大豆の栽培によって従来の作物と比べて所得が増加するなど高付加価値型農業を実践できたこと、「地域まるごと6次産業化」の取組みによって地域のまちづくりの機運が向上したことなどがあげられます。

 このように、観光地において6次産業化を推進することで、温泉などの観光資源と、農林水産物などの地域資源が融合され、観光地への集客による地域振興へとつなげていくことができるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)




記事提供:ゆりかご倶楽部







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