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タックスニュース
2016.06.24


【時事解説】都市と農山漁村の人材交流



 地方創生においては東京一極集中を是正し、いかにして都市から地方への人の流れをつくるかが課題になっています。

こうした中、近年都市と農山漁村の人材交流についても注目が集まっています。

 2003年に「都市と農山漁村の共生・対流推進会議」が発足して以降、都市と農山漁村を双方向で行き交うライフスタイルの普及・啓発活動を国民運動として推進する取組みが行われてきました。

 この会議は通称「オーライ!ニッポン会議」と呼ばれ、都市と農山漁村を人々が活発に「往来」し、双方の生活、文化を楽しむことで、日本がall right(健全)になるという意味が込められています。

 個性的で便利な暮らしが体験できる都市と、美しい自然や伝統文化のある農山漁村を行き交う新たなライフスタイルを広め、「共生」によって都市と農山漁村それぞれに住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合いつつ互いに関係し支え合い、「対流」によって「人、もの、情報」の循環を活発にすることが期待されています。

都市と農山漁村の共生・対流は、グリーン・ツーリズムのほか農山漁村における定住・半定住等も含む広い概念となっています。

 また、オーライ!ニッポン会議と農林水産省の主催により、全国の都市と農山漁村の共生・対流に優れた取組みを表彰し、国民への新たなライフスタイルの普及・定着を図ることを目的として、オーライ!ニッポン大賞が2003年度から開催されています。
 
 このように、全国で都市と農山漁村の往来を促進し双方の交流を深めつつ、国民が健康的な生活を実践することが期待されているのです。(

 では、都市と農山漁村の人材交流の取組みは具体的にどのようなものが行われているのでしょうか。

 2016年2月にオーライ!ニッポン大賞でグランプリ(内閣総理大臣賞)を受賞した島根県浜田市金城町の夢の音村「森の公民館」の取組みについてみていきましょう。

 夢の音村「森の公民館」は、1968年から約50年間にわたり音楽による地域づくり活動に取り組む町内の音楽活動団体サウンドファイブ夢の音会により誕生した林間交流拠点です。

 夢の音会では、農山漁村地域が抱える様々な課題に対応するため「音楽」をキーワードとして、まちの人が楽しめる音楽ホール、スタジオなどの林間交流拠点の施設整備を進めていき、1995年には都市農村交流を行うために「森の公民館」を整備しました。

 森の公民館は開館以来20年独立採算での施設運営を行っており、2014年度には「ゆめのねむら」都市農村交流推進協議会を設立し、年間利用者約5,400人、宿泊者約1,000人の新たな交流を生み出す取組みに成長しました。

 大型の公演企画・運営にあたっては、200人の実行委員会を組織できるネットワークを有しており、すべての企画を手づくりで行っています。

また、公演に招いた著名なアーティストに対し夢の音村『名誉村民』の称号を贈り、市民との交流企画を実施しています。

 このように、地方においては農山漁村の環境や資源を活用しつつ都市との交流による地域づくりが行われているのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供:ゆりかご倶楽部







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