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タックスニュース
2014.09.26


【時事解説】温泉宿泊施設の連携による事業展開



 地域資源の一つである観光資源の代表的なものの一つとして温泉があげられます。

そして温泉を活用した事業展開の主たる担い手となるのが温泉宿泊施設です。

 温泉宿泊施設を取り巻く環境の変化としては、まず団体旅行客から個人旅行客へのシフトがあげられます。

かつては団体旅行客向けに画一的なサービスを提供すればよかったのですが、近年では旅行客のニーズも多様化しています。

また、宿泊の予約などにおいても旅行代理店経由によるものから、インターネットを経由して旅行客が直接行うケースが増えています。

 また、温泉は日本人旅行客だけでなく外国人旅行客からも注目を集めています。

日本が人口減少社会に向かう中、今後は日本人観光客だけでなく外国人観光客を取り込む必要性も出てきます。

 さらに、個々の温泉宿泊施設での対応だけではなく、周辺の観光資源と一体となった集客を行ったり、温泉地全体で顧客の満足度を高められるようなイベント開催を推進したりすることも求められています。

温泉宿泊施設のほとんどは中小企業によって運営されていますが、これらの取組みを温泉宿泊施設が個々に行うには限界があります。

その理由としては、中小企業は、大企業と比べて相対的に経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)に制約があるためです。

 そこでカギとなるのが個々の企業の枠を超えた温泉宿泊施設間の連携です。温泉宿泊施設同士が連携することで、個々の旅館では限界のある取組みが実現可能となります。(

 では、温泉宿泊施設が連携することによって、具体的にどのような取組みが可能となるのでしょうか。

 熊本県阿蘇郡南小国町の黒川温泉には、24の温泉宿泊施設が存在しますが、温泉旅館が個々に事業展開の取組みを行うだけでなく、旅館同士が一体となった取組みが推進された好事例がありますので、やや昔のものではありますが、ここで確認していきましょう。

 まず、1980年代に各旅館が露天風呂を設置する取組みが行われました。

その過程では、「田舎らしさ」を全面的にアピールすることが重視され、各温泉宿泊施設同士でコンセプトの共有が行われました。

1986年には、「入湯手形」が導入され、1枚の入湯手形で3ヵ所の旅館の露天風呂への入浴を可能とする取組みが行われました。

さらに翌1987年には、植樹が行われるとともに個人看板を撤去する代わりに共同看板が設置され、街並みの環境整備が行われました。

 近年でも旅館組合では、日曜朝市、温泉観光シンポジウム、マラソン、そうめん流しなど様々なイベントを推進しています。

これらのイベントには、旅館に勤務する従業員なども積極的に参加し、地域が一体となった取組みが行われています。

 また、外国人観光客の呼び込みを促進するために旅館組合で韓国語のマップを作成するなどの取組みも行われています。

 黒川温泉では、温泉旅館の連携によるさまざまな取組みが行われていますが、その主たる担い手となったのは、1980年代に地元に帰ってきたUターンによる温泉宿泊施設の後継経営者でした。

このように連携を推進するには危機意識をもった担い手の存在が求められるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部






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