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タックスニュース
2014.07.25


【時事解説】京都における産業集積の特徴



 京都には、長い歴史をもつ複合的な産業集積が形成されています。

近世にさかのぼると西陣に代表される繊維産業ばかりではなく、清酒醸造、縫い針などの金属加工、木工・竹工などさまざまな業種が存在していました。

 京都に本社を置く主な企業としては、島津製作所、京セラ、村田製作所、堀場製作所、ローム、日本電産、オムロン、任天堂などがありますが、これらの企業はかつてベンチャー企業として急成長を遂げ、ユニークな技術などを背景とした得意分野を持つことで知られています。

そしてこれらの企業には個性的な創業者が多く、ベンチャー企業の育成などにおいて自社の経営を伝承することにも積極的です。

こうした背景もあって、これらの企業から分社化やスピンアウトした新しい企業が生まれています。

京都の企業は異業種交流参加率の割合が高く、京都商工会議所、京都経済同友会などの経済団体での交流活動も活発です。

 また、京都には西陣織や京友禅など国が指定する17品目の伝統工芸品があり、これらの製造に関する基盤技術の蓄積が先端技術を生む土壌となっています。

 さらに京都では大学・研究機関の集積を背景として、産学連携の仲介や大学の協力に基づく産業支援活動が活発に行われています。

また、京都リサーチパークなど産学連携や産業支援活動を進めるための拠点も整備されています。
 
 このように、京都では、独特の歴史的経緯や都市文化性を背景に、業種の多様性がみられるとともに産学連携や産業支援活動が活発に行われ、その結果として異分野の知識や情報が融合しやすい複合的な産業集積が形成されているのです。

 では、京都では産業集積の特徴を生かして、近年どのような取組が行われているのでしょうか。

 京都における産業支援機関による支援の背景に「知恵産業」という言葉があります。

知恵産業は、文化と伝統に裏打ちされた京都ならではの特性や強み、いわゆる「知恵」を存分に生かした各種の事業を通して、京都の産業に革新と創造を呼び起こし、京都を知恵溢れる創造性豊かなまちとしていこうとするものです。

2008年には「知恵産業研究会」が立ち上げられ、2010年11月には、京都市産業技術研究所内に知恵産業融合センターが設立されました。

 知恵産業融合センターの活動の基本的な考え方は、京都が伝統産業と先端産業のまちであることに鑑み、両者を融合させて新たな価値を創出することで地域産業振興を図ろうとするものです。

具体的には、

@京都市産業技術研究所を核とした中小企業との産学官連携の推進により知恵と技術を集約する、

A京都の他の産業支援機関と連携して知恵産業を探求し、特に技術面からのサポートを行う、

B企業連携を推進しながら、シーズからニーズまで一貫した知恵ビジネスの集積を実現していく、などの活動方針を掲げています。

そしてこうした方針の下で、同センターでは、研究開発支援、企業間マッチングの推進、人材育成、情報発信という4つの取組が行われています。

 このように京都では「知恵産業」に基づいて、個々の企業の努力に依存した産業発展ではなく、業種、業界、企業を超えた協働によって京都府、京都市などを含めた「オール京都」での取組が推進されているのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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