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タックスニュース
2014.06.23


【時事解説】海洋エネルギー発電の未来とビジネスチャンス



 東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故以降、太陽光発電や地熱発電などの再生可能エネルギーへの注目が高まっています。

なかでも、近年は海を利用し電気を創出する「海洋エネルギー発電」への期待が大きくなっています。

 海を利用した発電には、海上に風車を並べ発電する海上風力発電がよく知られています。

いま注目を集めている海洋エネルギー発電は風力発電に加え、波力、潮力、海流、海洋温度差などの発電方式を組み合わせた形を主流にしています。

 発電方式のなかの波力発電はもっとも実用化に近いものの一つですが、これは波の上下運動を電気に変える発電方式を指します。

このほか、潮の満ち引きを利用する潮流発電、海流を利用する海流発電、そして海水表面と深いところの温度差を利用する海洋温度差などの発電があります。

 海洋エネルギー発電が有望とされる理由は、安定した発電量にあります。

太陽光発電や風力発電は天候により発電量が左右されるところが弱点です。

また、従来の再生可能エネルギーは、発電量が少なく効率が悪い点に解決しなければならない課題がありました。

この点、たとえば波力発電は540万キロワットという、原子力発電の3〜5基分に相当する発電量の安定供給が可能で、従来の課題を乗り越えた点に将来性が期待されています。

 いずれの発電方式も実証実験の段階にあり、事業化には至っていませんが、国やいくつかの地方自治体は事業化に向けた施策に取り組んでいます。

具体的には、現在、政府は実証実験用の海域を用意しており、そこに岩手県など、7つの県が名乗りを挙げています。

 今後、海洋エネルギー発電は国と自治体、民間企業、大学などが協力し、実証実験をすすめることになります。

実験に手を挙げた県は、岩手県のほか、新潟、和歌山、佐賀、長崎、鹿児島、沖縄です。

誘致が決まれば実証実験がはじまり、設備の建設をはじめ、数多くの事業が行なわれ、関係する企業などにも収益をもたらします。また、雇用創出の恩恵も期待できます。

 たとえば、岩手県は釜石市沖で波力と洋上風力を組み合わせ、実証実験に臨む予定でいます。

岩手県の場合、県外の複数の企業から参画の意向が寄せられており、地元の人たちは実証実験が実現することで県内に多くの企業や人材が集まり、これが震災復興に役立つ、と期待しています。

こうしたことから、名乗りを挙げた自治体は積極的に誘致に取り組んでいます。

 未来の再生可能エネ候補として期待されている海洋エネルギー発電ですが課題もあります。

最大の難題は、漁業への影響をいかに小さくするかにあります。
潮力発電は、潮の流れが速いほうが多くのエネルギーを得ることが可能です。

ただし、潮流の速いところは漁業も盛んなことが多く、発電施設の建設による漁への悪影響が懸念されます。
今後は、地元の人たちと話し合いを根気よく重ねて調整しなければなりません。

 そのなか、すでに漁業者との協力体制をつくった自治体もあります。

佐賀県は、誘致のために立ち上げた協議会の会長に地元漁協の代表が就任し、海域も漁業者側に推薦してもらっております。

海洋エネルギー発電には課題はありますが、地元との協力体制などによる課題解決は不可能ではないことを示しています。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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