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タックスニュース
2014.04.28


【時事解説】新株価指数と企業への要求



 2014年1月、「JPX日経インデックス400」という新たな株価指数がスタートしました。

株価指数とは株式市場の動向を示す指標で、すでにたくさん種類が存在しています。

ニュースで「日経平均株価」という言葉を耳にしますが、これも株価指数の一つです。

このほかにも、TOPIX (東証株価指数) や東証マザーズ指数(新興企業を対象)、東証REIT指数(不動産投資信託を対象)など、市場別、規模別、業種別などで多数あります。

現在、東京証券取引所のホームページで紹介されている指標だけでも20種類を超えます。

 新たに誕生したJPX日経インデックス400の特徴は、これまでの指標と比べて「投資魅力」の高い企業を選んでいるところにあります。

従来の指標は、投資家にとって魅力ある(投資額に対して多くの利益があがる)銘柄を選んで組み入れているとは限りませんでした。

TOPIXのように、東証市場第一部に上場しているすべての日本企業を対象として指標も多くあります。

 そこで、新しい指標では、より投資魅力の高い銘柄に絞り、組み入れることで、国内外の投資家に日本市場をアピールし、結果、より多くの人が日本株を売買するようになってほしい。

こうした市場関係者の思惑があるようです。
とくに、近年、外国人投資家が日本市場に大きな影響を及ぼすようになりました。

新指標では、外国人が日本の株式市場をより高く評価できるよう、意識している部分があります。

 「JPX日経インデックス400」で注目したいのは、この指標は営業利益や時価総額が高いだけでなく、加えて自己資本利益率(ROE:Return on Equityの略称)の高い企業を組み入れている点にあります。

従来の指標で、ROEを重視した基準はほとんどありませんでした。

 ROEというのは株主資本(株主が投資したお金)を使ってどれだけ利益をあげたかを示すものです(株主資本:貸借対照表の資本の部の合計、「自己資本」「純資産」ともいわれる)。

ROEが大きな企業とは、少ない出資で大きな利益を挙げる能力が高いことを示しています。

このことからも、JPX日経インデックス400は株主が出資したお金を最大限に大きくする企業を重んじているといえます。ちなみに、ROEの算出式は以下です。

  ROE = 当期純利益 / 株主資本 × 100

 ただし、株主資本が小さいだけでは、大きなビジネスができません。
大きな利益を挙げるには、借入をして資金調達することが必要になります。

 日本企業のなかには、借入が少ない、つぶれにくい企業が多くあります。

こうした企業の安定性を高く評価する日本人投資家もいます。
ただし、外国人投資家は、借入をしてリスクをとり、好業績を挙げる企業が望ましいと考える人が少なくありません。

こうした意味で、JPX日経インデックス400は、外国人投資家の望みを汲んでいるといえます。

 この指数がより多く広まると、「借入は少なく」を掲げている企業は、より借入を多く、リスクをとることが求められるようになります。

この市場の要求を受け入れ、リスクをより多くとる企業が増えるのか、あくまで従来の経営方針を貫くのか、着目していきたいところです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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