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タックスニュース 2014.04.07 【時事解説】債権者と株主の決算書の見方の違い決算書を必要とするのは、会社の利害関係者です。 ただ、その利害の持ち方により、会社への関心の持ち方も異なり、決算書に対する注目点も変わってきます。 貸借対照表の借方に利害を保有する人は、会社から見れば債務者ということになりますが、債務者とは会社にカネを支払わなければならない人ですから、払う相手の会社の内容には余り興味はありません。 一方、貸借対照表の貸方に利害関係を有する人がいます。 貸方の利害関係者は二つに分かれます。 一つは買掛金や借入金のような負債として利害を有する人たちです。 仕入先や銀行などが該当しますが、この人たちは会社から見れば債権者です。 債権者は会社から直接カネを受取らなければなりません。 会社が倒産すれば、カネを受取ることができませんから、会社の内容に大きな関心を持っています。 債権者はできるだけ債権回収のリスクを抑えたいので事前に会社と契約を交わし返済方法や利息の支払いを確定させます。 銀行が会社に融資を行い、会社がその融資金で事業を行いどんなに莫大な利益を上げても、当初約束した以上の利息は受取ることはできません。 したがって、その会社が利益をどれ位上げたかということには興味がありません。 一方、返済は株主への残余財産の分配に先立って行われます。 株主財産がある限り、すなわち債務超過でない限り、必ず債権者への返済が行われます。 株主財産が少しでも残っていれば債権者は全額回収できるのですから、株主財産すなわち自己資本がどれくらいあるかが重要です。 貸方のもう一つの利害関係者は株主です。会社の株式を取得した人は、株主として貸借対照表では純資産に利害を有することになります。 株主は債権者と違い、元々リスクを背負って株式に投資しています。 債権者にとっては会社が存続することが大前提ですが、株主はある意味で会社が存続しないリスクも踏まえ、そのリスクを補って余りあるリターンを求めています。 株主は株式購入のために投資した資金回収を二つのルートから行います。 元本の果実は配当として会社から受取るほか、株式を第三者に売却することにより回収することもできます。 配当も株式の売却も金額が確定していません。 この点が契約により利息と元本の回収が確定している負債との最大の相違点です。 会社の業績が好調なら、高い配当が得られるし、株式も高値で売却できます。 その意味で株主にとって重要なのは、自分が資金を投入して株主になったときから、株主財産(自己資本)がどれだけ増加しているかです。 株主財産は原理的には損益計算書の当期純利益の分だけ増加します。 したがって、株主にとって重要なのは、自己資本に対する当期純利益の増加割合であるROE(自己資本当期純利益率)ということになります。 このように、会社の利害関係者は皆が同じ着眼点で決算書を見ているわけではありません。 それぞれの立場に応じて注目すべきポイントは異なります。 会社側も、自分はどの利害関係者に向けて情報発信をするのかということを念頭において、決算書を作成し、決算説明をしていくことが求められます。 (記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター) 記事提供 ゆりかご倶楽部 |
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