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タックスニュース
2014.01.29


国税庁:2012事務年度における譲渡所得調査を公表



 国税庁は、2012事務年度(2013年6月までの1年間)における譲渡所得調査を公表しました。

 それによりますと、調査は3万1,323件に対して行われ、うち69.4%に当たる2万1,739件から1,443億円の申告漏れを把握しました。

 税務調査は年々、高額・悪質なものを選定して重点的に行われております。

 譲渡所得調査も、不動産等の売買情報など、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用して、高額・悪質と見込まれるものを優先して行われております。

 前年度に比べ、調査件数は22.8%、申告漏れ件数は18.4%、申告漏れ所得金額も12.7%、それぞれ減少しました。

 この背景には、国税通則法改正により、課税理由の説明等が原則義務化され、事務作業量の増加が影響している模様です。

 申告漏れ割合は、前年度から3.8ポイント上昇しました。

 調査1件あたりの申告漏れ額は461万円(前年度407万円)となりますが、この額は、同事務年度の所得税調査で把握された1件あたり平均の申告漏れ額126万円を大きく上回ります。

 調査の内訳をみますと、株式等譲渡所得については、前年度比40.6%減の5,333件の調査を実施し、このうち63.7%にあたる3,398件(前年度比37.9%減)から総額(前年度比21.7%減)の申告漏れ所得を把握しました。

 また、土地建物等については、前年度比17.8%減の2万5,990件の調査を実施し、このうち70.6%にあたる1万8,341件(前年度比13.3%減)から総額1282億円(前年度比11.4%減)の申告漏れ所得を把握しております。

 事例をみますと、医師Aは、国外送金等調書により、海外から多額の送金があり、海外に所得があることが想定されたものがあります。

 調査の結果、Aは、親族が先祖代々所有していた海外の不動産をかつて贈与されていましたが、その後、その不動産を譲渡して多額の所得を得ていたのに、日本でその譲渡所得を申告していなかった事実が判明しております。

 Aに対しては、約9,400万円の申告漏れについて税額約1,600万円が追徴されております。


(注意)
 上記の記載内容は、平成25年12月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



記事提供 ゆりかご倶楽部





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