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タックスニュース
2013.11.25


【時事解説】地域資源への新たな気づき



 人口減少などの課題を抱える地域の中小企業にとって、地域資源を活用することが求められています。

 2007年には「中小企業地域資源活用プログラム」が創設され、地域資源の活用によって各地域の産業発展となるような新事業を創出することが目指されるとともに、「中小企業地域資源活用促進法」が制定され、地域に新しい産業の芽を育てていこうという内生的な取組みを応援する仕組みができあがりました。

 「中小企業地域資源活用促進法」においては、地域資源を3つに区分して定義しています。

1つ目は地域の特産物として相当程度認識されている農林水産物または鉱工業品です。

2つ目は特産物となる鉱工業品の生産にかかわる技術です。3つ目は地域で相当程度認識されている観光資源です。

 こうした地域資源の定義に基づき、地域資源を活用した中小企業の取り組みは、地域の農林水産品を蓄積された技術・技法で加工する「農林水産型」、鉱工業品関連企業の集積により蓄積された技術・技法を用いる「産地技術型」、自然や文化財などの観光資源を活用して事業を展開する「観光型」に大別されます。

 地域資源は上記法律の定義に限定されるものではありません。
その地域に存在し、地域の強みとして経済的な価値を生むものは幅広く地域資源と捉えることができます。

そして重要なことは、地域として当たり前に存在すると思われていたものを価値あるものとして捉えなおすことができるかどうかという「地域資源への新たな気づき」をもつことにあるのです。

 では、地域として当たり前に存在すると思われていたものを価値ある資源として捉えなおすには何が必要なのでしょうか。

愛媛県今治市に所在しタオル製品の企画、製造販売を行うA社の取組事例をみていきましょう。

 今治市は、国内シェア約6割の日本一のタオルの産地です。
しかし、安価な輸入品との競合を余儀なくされ、タオル関係の事業所は減少の一途を辿り、1970年代に500社ほどあったといわれるタオル関係の事業所数は、現在120社を下回る程度にまで減少しています。

 A社は、今治市にあるタオル製造業者B社が、タオル生地を生かした新製品の企画・販売を行うために2000年に設立しました。

その中で、タオルのもつやわらかさや肌触りの良さに着目し、タオル生地を用いたベビー用品や和雑貨を開発し全国への販売を展開していきました。
そしてこうしたA社の取組みは今治市の他の企業へと波及していったのです。

 その過程では、今治のタオルの価値について、四角いタオルとしての機能だけでなく、やわらかさや肌触りに価値を見出すといった地域資源への新たな気づきがあった訳ですが、それには、A社の社長がタオルづくりに関して素人であったことが関連しています。

 A社の社長には、タオル製造業者B社の社長夫人が就任しました。
その背景には従来のタオルづくりの発想から離れ、主婦や消費者の目線から製品企画を行うという狙いがあったのです。

 このように、中小企業が地域資源に対して新たな気づきを得るには、従来の発想に囚われない人材をうまく活用することが求められるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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