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タックスニュース
2013.10.18


【時事解説】LCCの今と格安ビジネス成功のカギ



 2012年、日本は「LCC(格安航空会社)元年」といわれ、エアアジア・ジャパンなどLCC3社が就航を開始しました。

LCCはLow-Cost Carrierの略で、名の通り航空運賃が低価格である点が特徴です。

コストを下げるために、予約をインターネット中心にする、機内食などのサービスを簡素化、手荷物の無料枠を下げるなど、各社工夫をこらして低価格を実現しています。

 ところが、現在、LCCのなかの1社であるピーチ・アビエーションは健闘しているものの、他の2社、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンは価格競争が激化し、利益率が低下しているのが現状です。

しかも、2013年9月、中国のLCC、春秋航空が、日本の国土交通省へ日本国内3路線の営業申請を行いました。
これにより、ますます競争が激化することが予想されます。

 かつて、LCCの先進国、米国でも各社間の競争が激化したことがありました。
そのなか淘汰されずに生き残ったのが、サウスウエスト航空です。

同社は日本ではなじみが薄いのですが、米国ではよく知られた航空会社です。
なぜ、激しい競争のなかで、同社は勝てたのでしょうか。

 この会社は、アメリカの中都市空港と大都市空港の二次的空港を結ぶ便を低コストで提供しています。

日本でいえば、成田空港ではなく羽田を拠点にして、地方の中都市空港を結ぶ形をとり、ライバルが少ないことや、食事を出さなくてよい短距離の運航のみに徹しているのが特徴です。

もう一つの特徴は、空港に到着してから次の便の離陸までの時間がわずか15分と短いところにあります。
そのため、一日に何便も運航でき「薄利多売」を可能にしています。

 アメリカで成功したLCC、サウスウエスト航空が成功者になれたのは、さまざまな要素がありますが、便数が多く薄利多売を実現していることが一つとして挙げられます。

日本のLCCは黎明期という事もあり、運航便数がまだ少ないのが現状です。
より多くの顧客に利用してもらい便数を増やすことで、よりコスト競争力を高めることが可能になります。

 加えて、「ライバルのいない二次的な空港を拠点にする」といった要素も重要なポイントです。ジェットスター・ジャパンとエアアジア・ジャパンをみると、両社は成田空港を拠点の一つにしています。
同じ空港に二社が入ることで、すでに価格競争が始まり、より苦しい事業状況を強いられています。

 さらに、サウスウエスト航空では、低価格を実現させるために、「空港滞在時間を短くする」「便数を増やす」「運行距離を短くする」「機内食などのサービスを簡素化する」といった要素のほかに、「給与の水準が他社より高いので従業員のモチベーションが高い」といった、さまざまな要素を組み合わせています。

給与水準を上げると、コストが上がるようにも見えますが、従業員の愛社精神がサービスの向上につながり同社の強みになっています。

 他社が行わないことを取り入れることで、自社独自のコスト競争力が生まれます。
近年、低価格を打ち出し勝負する企業は多くありますが、低価格は他社に真似されやすいため、競争は激化する傾向があります。

そのなかで、生き残っていくには、あえて他社が行なわない、さまざまな要素を組み入れ、自社独自の工夫を凝らすことが必要です。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)



記事提供 ゆりかご倶楽部





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