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タックスニュース
2013.09.26


消費税:新しい事業者免税点制度に注意



 消費税の取扱いでは、中小事業者の納税事務負担などに配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1千万円以下の事業者については納税義務を免除する「事業者免税点制度」が設けられております。

 基準期間とは、申告事業年度の前々事業年度のことを指し、新しく設立した会社にはこの基準期間が存在しないため、設立1期目及び2期目については、原則として、免税事業者扱いということになります。

 しかし、2011年度税制改正において、基準期間の課税売上高が1千万円以下でも、「特定期間」の課税売上高が1千万円を超える場合には、事業者免税点制度が適用できないこととされました。

 特定期間とは、申告事業年度の前事業年度(7ヵ月以下のものを除く)の開始の日から6ヵ月間のことをいいます。

 このため、特定期間の課税売上高が1千万円超であれば、新設会社であろうとも設立2期目から課税事業者になります。

ちなみに、事業者免税制度の適用の可否を特定期間で判定する場合には、課税売上高と支払給与額のいずれか有利なほうを事業者が任意に選択できます。

 例えば、課税売上高が1,050万円、支払給与額が950万円の場合は、支払給与額で判定すれば、事業者免税点制度が適用できます。

 特定期間における課税売上高に代えることができる支払給与額は、課税対象とされる給与、賞与等が該当し、所得税が非課税とされる通勤手当や旅費等は該当しません。

 また、特定期間中に支払った給与等の範囲については、

@未払額は含まない
A退職手当は含まない
B使用人に対して無償または低額の賃貸料で社宅、寮等を貸与することにより供与した経済的利益で給与所得とされたものは含まれます。

 この新しい事業者免税点制度は、2013年1月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
 この背景には、前々年または前々事業年度を基準期間として、その課税期間を判定する制度では、その課税期間の課税売上高が多額であっても、免税事業者となってしまったり、逆に、その課税期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、納税義務が生じてしまう課題がありました。


(注意)
 上記の記載内容は、平成25年9月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



記事提供 ゆりかご倶楽部





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